0-01-01から1ヶ月間の記事一覧

人狼

00 沖浦啓之(テアトル新宿) 誰が押井守を必要としているのか。アニメをアートに加えようと、記号的に作品を読みとることは、彼の術中にはまることになるのに。庵野と同じく、押井もダブル・スタンダードを駆使しているのでどんな攻撃にも耐えられる。逆に…

シン・レッド・ライン

The Thin Red Line 98 テレンス・マリック(新宿ミラノ座) G島における攻防戦を描く作品を作り上げることを選んだ、テレンス・マリックには確たる映像のイメージが、イメージのみがあった。美しい映像を作り上げる作業は20年前に『天国の日々』で、既に完…

シンプルプラン

A Simple Plan 98 サム・ライミ(新宿武蔵野館) サム・ライミがブランクを経て、新しいスタイルで現れた。というよりも、今回のスタイルは彼がテレビシリーズ『アメリカン・ゴシック』などを手がけていたせいなのか、ストーリーを簡便に語る方向を全面的に押…

シンドラーのリスト

SCHINDLER'S LIST 93 スティーブン・スピルバーグ(ビデオ) 手抜きの帝王、スピルバーグが撮る、良心的な素材、ユダヤ人虐殺をテーマとした、アカデミー賞狙い(実際に取ったが)の映画をちょっと敬遠していたけど、前に同じ狙いで作った『カラー・パープル…

新 仁義なき戦い 総長の首

75 深作欣二 (ビデオ) シリーズのマンネリ打破に向けて狂言回しの菅原文太を風来坊の旅人に設定した。舞台は下関。ここでも地方ヤクザのシノギを削る同じ組の中で分裂裏切り合いが行われている。 いい加減、シナリオで人間関係を作るヒマがなかったのか、…

新 仁義なき戦い

74 深作欣二 (ビデオ) 『仁義なき戦い』5部作は遥か昔、ぎゅうぎゅう詰めのオールナイトの小屋で一気上映で、あの主題曲と手持ちカメラにとてつもない衝撃を受けて 18年ほど。それ以外の実録ものはあまり見ないで、渡 哲也が怪獣と化す『仁義の墓場』とい…

新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争

95 三池崇史(ビデオ) 三池 崇史は、状況しか撮ろうとはしない。情緒ある演技の表情は、切り捨てられたように映されない。そこから醸し出される光景はリアルと言うのは簡単だが、やるせない抜け出せない現状を空気として捉えようとしているように思える。 …

シンク

内容については、上記の角田さんの欄を見て想像して頂くとして、さて問題はこの作品について何も語ることが出来ないことだ。どこが面白いのか全く理解できないのだ。 テレパシー女が仲間を探すプロセスを描いた話だと勝手に想像していたボクもいけないのだが…

シンク

97 村松正浩(BOX東中野) 1人の女の子と2人の男が、相互にテレパシーで絶えずコミュニケーションを撮りながら日常生活を過ごしている。その有り様をドラマチックさもなく、淡々と描く。ビデオ作品。 ビデオでダラダラと長回しをして、良い間違えても、言葉…

新唐獅子株式会社

99 前田陽一(中野武蔵野ホール) 原作の小林信彦と同様に乾質のユーモアを描ける監督だった。プログラムピクチャー精神というものをどこかに持っていた人。そんな想いがする。 製作がGAGAではっきり言って低予算。赤井英和も良くおさえられたと思う。役者も…

白 THE WHITE

99 平野勝之(BOX東中野) 『由美香』、『流れ者図鑑』と来て最終作はまさかひとりで厳寒の北海道を旅するとは思わなかった。旅を続けるものが見えなかった。今回は、旅に映画が呑まれてしまった感があるんだよね。監督のこだわりが一体どこに行ったのか、最…

地雷撤去隊

98 室賀厚(ビデオ) 東南アジア某国にリゾートホテルを建てようとする日本企業。しかし建設予定地には地雷原が横たわっていた。工事は期日までに終わらせなければならない。そこで、刑務所から減刑をエサに囚人を志願させ地雷撤去に携わらせる。一癖も二癖…

JOKER 疫病神

98 小松隆志(ビデオ) 池袋を舞台に昔、東西に分かれて抗争があった。そこで相手のヒットマンを返り討ちにした男を萩原健一が演じている。時間は現在に戻り、渡部篤郎の演じる、通称、疫病神は、子供時代に母親から虐待され、高校の時に逆に母親を絞殺した…

女囚さそり 第41雑居房

72 伊藤俊也(亀有名画座) ごめんなさい、一作目をまだ見てません。これは第2作目。しかし、梶芽衣子は「あんた、アタシを売ったね」と「死んでるよ」の台詞が二つというのはすごい。というか、存在感で主役やっていたとしか言いようがない。キャスティング…

昭和侠客外伝 無頼平野

95 石井輝男(ビデオ) これは、面白い。必見ですぞ。特に石井ファンなら、よりお薦め。昭和の浅草の街角を曲がればそこは石井ワールド。見始めるとぐいぐいと引き込まれて、ただ溜息をつくだけ………。絶対に損は致しません。 時は、昭和という時代でいつかは…

少林サッカー

02 チャウ・シンチー (Tジョイ大泉) なに一つ確かなことはない昨今だが、日本では2002年はW杯開催の年ではなく、少林サッカーの年として後年まで 語られることは間違いないだろう。 少年ジャンプのかつての(いまは知らないが)三大要素として、「友情…

少女ムシェット

Mouchette 67 ロベール・ブレッソン(NHK‐BS) ブレッソンは、つねに最低な条件で最高の効果を引き出す魔術師だ。素人しか使わない頑固さ。手元のクロースアップ。雑音に近い音声の繰り返し。ブレッソンだけは永遠の前衛であり、本質を引き出そうとする監督…

シュリ

SHURI 98 カン・ジェゲェ(新宿ミラノ) 広い劇場で公開されて良かったです。お陰で多少の粗さも気にならずに観られました。というかそういう風格、この時代には珍しく“マス”(大衆って言葉なのかなあ)に向けて作られた映画と感じた。早く言えば、世界の映…

出発

洋画、邦画を問わず、青春映画は、ちょっとせつない。フランスとオランダとドイツ(ポルシェで疾走するわけだし)に挟まれた、ボクにとっては「シメイ(ビール)」の国といった程度の認識しかない、ポーランドからの亡命監督によるベルギー産のこの映画も、…

出発

le depart 67 イエジー・スコリモフスキー(渋谷パルコPART3) すべからく、青春映画というのは、恥ずかしいものだ。10年前に熱狂した映画を見直してどこが面白かったんだろう。ママゴトじゃんと見直して思う映画がある。それは30歳をはるかに越えた奴の遠吠…

呪怨2

00 清水祟(ビデオ) だれもが連想する「新耳袋」。現代の怪談といってもよいが、本作品はその映像化とともに、今の観客の中にある、「ショートケーキハウスの怪」をめぐる心理をぎゅっと鷲掴みにしている。数年前「学校の怪談」が流行ったのも、日常の中に…

呪怨

続 住民が選択した町の福祉 問題はこれからです

99 羽田澄子(BOX東中野) NHK-BSで、羽田、土本典昭、松川八洲男、それに文部官僚評論家、寺脇研の出たシンポジウムがやっていた。終盤、観客席から質問が飛んだ。「ドキュメンタリーにおいてビデオの可能性についてどう思われますか?」出席者一同は、それ…

住民が選択した町の福祉

97 羽田澄子(BOX東中野)

ジャンヌ・ダルク

99 リュック・ベッソン(ヴァージンシネマズ市川コルトンプラザ ) ベッソンによるコスプレ超大作。「フィフス・エレメント」の頃よりは格段に「女優」になっているので、ミラ・ジョヴォヴィッチが好きじゃないヒトは、ますます嫌いになるだろう。あの声でオ…

死人の恋わずらい

01 渋谷和行 池袋文芸坐 邦画のビデオ販売用作品としては、AV機能に力を入れるところからはじまっている。コダックフィルムで発色を良くして、ライトの当て方もポートレイトを撮るかのように背景から浮き上がるようにしている(カメラはスーパー16による)。音…

シド アンド ナンシー

SID & NANCY 86 アレックス・コックス(ビデオ) 主人公が、泥沼にはまって人生最悪まで行く映画って嫌いじゃないので、ほとんど息苦しいまでの夜間と室内ばかりの舞台の中でダメ人間達がどんどんダメになっていくのが哀しくも切ない。アレックス・コックス…

シックス・センス

THE SIX SENSE 99 M・ナイト・シャマラン(渋谷シネフロント)いやー、見事に騙されましたわ。ドンデン返しがあると聞いていても、最後まで分からなかった。ルール的には反則ぎりぎりというよりも、大反則だあ!そりゃわからんわ。これ以上バラすと結末が分…

シーズ・ソー・ラヴリー

She's so lovely 97 ニック・カサベテス(ビデオ) 脚本が故ジョン・カサベテスと書いてあったので、借りてみた。やっぱ息子は才能無いね。膨らますことの出来る素材をしぼませてけちくさい、陳腐な映画にしてしまった。 20代のカップルがいて、愛し合ってい…

地獄

99 石井輝男(ニフティーサーブ配信) 画質が悪かったので細部がわからなかったから、もう一度公開後に観て感想を書き替えるかも知れないことを最初に断っておきます。これで話題になればこういう公開(?)方法もいいんじゃないかとも思いますが…CM代わりと…