呪怨2

呪怨 [DVD]
呪怨2 [DVD]
 00 清水祟(ビデオ)

 だれもが連想する「新耳袋」。現代の怪談といってもよいが、本作品はその映像化とともに、今の観客の中にある、「ショートケーキハウスの怪」をめぐる心理をぎゅっと鷲掴みにしている。数年前「学校の怪談」が流行ったのも、日常の中にある恐怖が観客と作り
手に共通の認識としてあったからだと言える。“誰もいない、学校って恐いよね”“うん、そうだね”。これだけで映画を取り巻く皮膚感覚は成立したといえる。それが、いまはテレビに映させる猟奇事件、その舞台が郊外のなんでもない建て売り住宅だった
りする。そんな日常性がリアリティーとして成り立つようになったので、このストーリーも成立したといえよう。
 なにが恐いって、なんにも起きないのだけど、なにか起きそうだ、という間と、狭い空間なんだけどその見えない空間に絶対何かいる!と思わせる隙のある空間の作り方が非常に上手い。
 また何かが、出てからはこれでもかというくらい、観客を恐怖のどん底に陥れ安心させないねちっこい演出。普通あそこまで行くと笑っちゃえるんだけど、笑うという逃げも用意してくれない。
 『呪怨2』まで行くと、ちょっとやりすぎだと思うけど、変質者やお化け屋敷じゃない、本質で言えばショッカーに近いテイストを持った作品に仕上げられた ことは評価すべきことだろう。 『ブレア・ウイッチ』の百倍マジ恐いっす。
 (角田)