新唐獅子株式会社

 99 前田陽一中野武蔵野ホール

 原作の小林信彦と同様に乾質のユーモアを描ける監督だった。プログラムピクチャー精神というものをどこかに持っていた人。そんな想いがする。
 製作がGAGAではっきり言って低予算。赤井英和も良くおさえられたと思う。役者もほとんどいないので喜劇として見せ場が少ないというか芝居をそこら辺を呼吸で見せてくれないと見せられる方はちょっとつらい。細かいくすぐりはたくさんあって笑えるのだけど、積み重なってこない。逆に、Vシネ的な安っぽさが見えてくるのがつらい。脚本の練り方にちょっと無理があるかなと思うけど、どうしてもカラッとしない。画が狭いというか、そこら辺 あっけらかんと開き直って撮影すればよいのに気を使いすぎている。スケールがでないんだよね。大阪でロケは出来なかったという話も聞くけど、もっとセットとか上手く使えなかったかなあ。
 テレビの視聴率に対する皮肉とオチ(考えオチだね)は良くできてたと思うが。ちなみに山本竜二は良い役者です。
(角田)