シンク

 内容については、上記の角田さんの欄を見て想像して頂くとして、さて問題はこの作品について何も語ることが出来ないことだ。どこが面白いのか全く理解できないのだ。
 テレパシー女が仲間を探すプロセスを描いた話だと勝手に想像していたボクもいけないのだが、あっさり3人が知り合ってしまった時点でもう観るのを投げてしまったような気がする。あとは3人それぞれの人生がどー平行線を辿ろうが、シンクロしようがどーでもいい。
 どうも「現実に負けている」という気がするところが、つまらないと思う最大の要因かも知れない。「テレパシー」を巡る人間ドラマよりも「伝言ダイヤル」や「テレクラ」や「インターネット」を巡る人間ドラマのほうが遥かに刺激的 なんだもん。
 いやーそれにしても本当にこの作品苦手だ。「死んでも続いてたらどうする?」というオチ丸わかりのセリフもイヤだし、主人公の女がコルク抜けずに悪戦苦闘するシーンをダラダラ映して「男の不在」もしくは「孤独」を描くというやり口も好きじゃない。クライマックスの3人がシンクロする舞台が「海」というのも…
 ぴあフィルムフェスティバルでグランプリ取ったのは、ノンリニア編集機も使わずによく1時間半近い作品を作ったと言うその「長さ」が評価されただけなのではないか?と密かに思っている。もちろんこんな事を好き勝手に言えるのはボクが撮る側の人間ではないからに他ならない。別に映画に努力のアトなんか観たくないんだもの。
(船越)