早射ち野郎

Date: 2003-10-24 (Fri)
BSにて。
感化されてはじめて見たのですが、やあひっくり返ったよ。なんと本格西部劇。
マカロニ・ウエスタンよりも早く、(本作は61年、『荒野の用心棒』は64年)、どこかで観たことのある、ありとあらゆるハリウッド西部劇がぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、全員が楽しんで作ったというのが一目瞭然。
ストーリーはダム建設工事で賑わう、未開の土地にやってきた流れ者、エースのジョー(宍戸錠)が、半人前の巡査と協力してダムの作業員の給料を狙う強盗団やその背後にいるボスを倒すというものなの。
とにかく開拓村のセットがスゴい。日活撮影所のオープンを全部使って、西部劇の街並を丸々再現している。なので決闘のロングショットがびしっと決まる。酒場もカウンターからホンキートンクピアノまで西部劇と寸分違わない。登場人物はみなテンガロン・ハットを被り、ライフルを持っている。女先生はいるは酒場の女はいるは…。

ジョーは黒ずくめで、歯を剥き出しにする仕草もすべて『ヴェラクルス』のバート・ランカスターそっくり。でも格好良さはランカスターより上だと思う。しかもなんと3曲も唄うのだ!
うーむ、ジョーの作品でも日活アクションのなかでも自分の中でかなり上位を占めるなあ、これは。
やー、こんな悪のりというか徒花のような作品を観ちゃうと、勢いのあるときの映画のチカラって大したものだと思う。
当時の戦後育ちの面々の共通認識が、アクション映画といえば、西部劇だったんだろうね。
そう思うと、『キル・ビル』のようなことはとっくにやられているんだねえ。
<参考>
http://www2u.biglobe.ne.jp/~kazu60/59371948/