やさぐれ映画『キル・ビルVol.1』

キル・ビル Vol.1 [DVD]
目覚めると陽は高く、家族はみんな出払って時計は正午を指している。仕方なしにテレビをつけて「笑っていいとも」を見ながら、メシを食う。でそのまま二光お茶の間ショッピングから、午後のロードショーへと突入して、ハナシがばんばん飛んでいくどうでもイイ、ホラーを見るが、睡魔が襲ってきて、寝てしまう。
うつらうつらしていると、三井奥様劇場のドラマの再放送が途切れ途切れに聞こえる。
ハッと目覚めると、陽は沈み辺りは暗い。今日も一日何もしなかったなあ、と独りごちて外に出る。
コンビニで弁当を買って、一通り雑誌を立ち読みして、チケット前売り誌になる前のぴあだけを買う。ついでにビデオを借りて家に帰りテレビをつけると、何度も見たアニメの再放送をやっているので、また見てしまう。
ぴあを隅から隅までながめながら弁当を食べていると、火曜ロードショーの時間になり、地獄の女囚コマンドー(三度目)を見る。途中で友人から電話がかかってきて、他人の悪口を30分にわたって言い合う。プロ野球ニュースをちらりと見たあと、スケベな番組がやっていないかをザッピングする。何もないとわかると、ビデオを見るが、途中で一度借りたことのあり、それも途中でやめていたことに気付く。仕方がないので積んであるマンガの一冊を読み出すが、面白くなり最初から全巻読みはじめる。そのうち夜も更けていき…(冒頭に戻る)

…このような80年代、90年代を過ごして来た方のみに送る映画です(限定)。

映画が進むにつれて、どんどん客席の温度が下がっていくという、久々のやさぐれ日本映画です。
大井武蔵野館の二本立てか新宿昭和館か文芸座地下の三本立ての邦画をシネコンで観ているという、豪華なんだか貧乏なんだかわからなくなってアタマがクラクラしました。
できることならば、街で一番古くてスクリーンの大きい、音の悪い劇場で観ることをお薦めします(無いよな〜そんなの)。

間違っても趣味の薄い人と一緒に行くことは止めた方がイイです。気まずい想いをします。
思っていたよりもこってりしていて、胃もたれをおこすので要注意。