修羅雪姫 怨み恋歌

修羅雪姫 怨み恋歌 [DVD]
(1974)藤田敏八
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18256/index.html
第二作目がレンタルビデオ屋に新入荷!とあったので早速観る。前作にも増してスタッフの力の入れようがすごい。特に美術がねえ、秘密警察長官の部屋のキッチュな悪趣味な温泉旅館風な赤い絨毯、虎の剥製などの装飾がいい味を出している。
撮影が鈴木達夫に代わったので、手持ちカメラで動く動く。オープニングの墓地での殺陣の長廻しが格好イイねえ。貧民窟のセットなど良く建てたと思う。ちょっと感激する。衣装や小道具、エキストラの細部にも目を配っている。
まあお話は劇画だったら成立するが(劇画じゃん!)、結構スカスカなんだよねえ、まあ主人公の雪がまったく事件とは関わらないし、喋らないのでドラマが生まれないのですよ。復讐は前作で終わっちゃったのでやること無いのでケーサツの手先になったけど、目覚めたので裏切りますってアンタ…。このプロットは『ロボコップ3』に受け継がれているなあ(ンなわけない)。そこを修正できないからこのシリーズは終わっちゃったんだろうね。惜しいなあ。別の監督がやったらまたオモシロイ映画になっただろうが。果たして東映明治侠客ものと違うジャンルができたんじゃなかろうか。女傑キャラは難しいですねえ。『キル・ビル』と同じで二作目で失速してしまったのが本当に残念。
ただ梶さんは美しい顔のポジションが少ない人ですね。寝姿を下から撮ったら誰かわかんなかったよ。岸田森伊丹十三原田芳雄、山本麟一、南原宏治!!の怪演は楽しいな。梶さんが完全に食われましたね。