暗黒街の対決

(1960)岡本喜八
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD22839/index.html
岡本喜八のカット割りは好きじゃない。なんでカットを切り替えるのか全然わからないし、上手いでしょという割り方が、ちょっと寒かったりする。たぶん初見が中学生か高校生だったら、いまも喜八フリークだっただろうね。
面白さは噂や期待していたほどではない。原作が大藪春彦なのでストーリーは大まかに言うと『野獣の青春』と同じ。ようするにハメットの亜流。
どうも監督のアクションにしてもドラマのキザなところも西部劇のしっぽを残すところがムズムズするんだよな。ハードボイルドの面白さは好きでないのだと思う。その意味では清順はざっくりとアクションを撮るよね。日活という会社の社風かもしれないけど。
東宝はどうも警察組織とか、さいごにワンサカ警官が出てきて手際よく非常線を張ったりする。ゴジラ映画や戦争映画の伝統ですかね。
それにしても鶴田浩二のいかがわしさよ。どう考えてもやはり良い側には見えないもの。やはりヤクザ映画の為に生まれてきた役者なのだろう。唯一それ以外で成功したのが、山田太一の作った、特攻隊帰りのガードマン。うまく影と華のある役を考えたよねえ。この人はいつも後悔と現実の狭間に悩む人物しかやってこなかった気がする。