笠取山(埼玉県大滝村)

ryotsunoda2005-05-30


朝起きたら身体が異様にダルく、今日も天気が良くなさそうなので、やめちゃおっかなと思ったが、だましだましストレッチなどしてようやく起きる。
5時30分出発。6時30分青梅通過、遠くの山々にガスがかかっている。7時小河内ダム。このあたり気温は16度。暖かいのか寒いのか最早わからん。7時30分小菅で一旦山梨県に入る。
道路幅が細くなった青梅街道から、急ハンドルを切って脇の林道に入り、舗装されているが細く落石がゴロゴロと転がる急坂を登ると、一之瀬高原という開けた場所に出る。民宿やバンガローが点在するちょっとした夏の高原合宿所のようなところ。
そこを通過し、林道の終点、作場平橋の駐車スペースに着いたのは8時20分。もうクルマも10台ほど停まっていた。
8時30分登山口から山に入る。植林されたカラマツ林が続きチップの香りがする。緩やかな坂をゆっくりと登っていく。このあたり人工林だけど、大正時代のものだというので風格がある。
沢沿いの道はやがてヤブ沢分岐にぶつかる。とりあえず尾根道の一休坂を行く。ミズナラの自然林が美しいというが、結構ダラダラとした坂だけど勾配が急なので、汗ダクダクでひいこらハアハア言いながらすぐに休む。その脇をオバサングループ、犬連れ夫婦などが話をしながら追い抜いていく、くそぉ。
30分ほど登ると巻き道の平らな登山道になる。緑がまだ薄く、葉の成長も少し遅いのかな。このあたり奥多摩というより奥秩父のようだ。やはり山奥深いということなのかな。
やがて沢が現れる。こんな高さのところなのにたっぷりと水が流れている。顔を洗い、飲んでみる。どうもあまり美味くないなあ。この笠取山多摩川の源流、水源地なのですね。それほど大きくない山なのに沢が何本もあり水量も豊富なので驚く。持参した水筒の水を詰め替える。
沢の岩場を越えて進むと、道の右斜面が石垣で被われ山が崩れ、沢が埋まらないように工事されている。このあたりがまた急登だ。
これを上りきると笠取小屋の開けた広場に出る。ここには無人小屋が3つとトイレがある。水源整備の工事が昔から行われ、その飯場だったということだ。
小休止したあとよく整備された木道を行くと、ちょっとした白樺の高原気分が続くが、その林が切れると一気に見通しが良くなる。広い尾根に出ると一面ひざまでの笹と枯れた木があるだけだ。陽が照っていても暑くない。逆に吹き抜ける風が寒く、あわてて脱いだフリースを着込む。
突然笠取山が見えた。ポコンと大きなプリンのようなカタチで目立つ。というかあれを登るのかといささかゲンナリ
そこに向かう前に、脇道を行き雁峠へ行ってみる。メインの登山遊歩道を外れると、いきなり笹が生い茂り道が見えない。ヤブ漕ぎをしながら進む。10分ほどで、雁峠に出る。ベンチがありのんびりする。やがてガスが峠を渡るようになったので戻ることにする。今日は歩いているとカッコーやウグイスなど野鳥の声がやかましいほど林に響く。
帰路道から見えた雁峠山荘を見に行く。2階建ての立派な小屋だったが、まだ開いていない。このあたりは6月になると山開きするのでそのころから使えるのかな。
戻って小さな丘に辿り着くとそこが、多摩川、荒川、富士川分水嶺だそうで碑が建っている。
目の前の笠取山が大きくなる。ずーっと頂上まで一直線の登山道があり、人が登っているのが小さく見える。充分休んで体勢を整え、ゆっくりと登るがキツイキツイ。しかも日なたの斜面には小さなハエがたくさん居て、ちょっと休むとすぐに近づいてきて五月蝿い。
11時、頂上(1953m)に着くと先客が10人ほどいる。岩が多く狭い頂上は座るところも無い。シャクナゲが紅い花を開きはじめたところだ。いつの間にか曇り空になり、雲が低く立ち込めている。それでも近くの山々はよく見える。
メシを食べるところが無いのでとりあえず進む。頂上近くの岩場を通り抜けると、本当の頂上があった。みなここまでは来ないようだ。さらに進むと道は少しずつ下っていく。でもちょっとマイナールートなのか荒れている。
巻き道との合流地点に出たので、シベラ尾根の方へと周回ルートを取る。道はそれほど上下していないので距離を稼げる。でもこのあたりになると景色も変わらず山腹の単調な道で飽きてくる。
無性にハラが減ったが座るところが無いので、沢にかかった木橋の脇で石に腰かけ、おにぎりとバナナを食う。デザートは夏みかん。タオルを沢に浸し、絞ろうとすると冷たすぎてびっくりする。痛くて手がかじかんでしまった。雪解け水なのだろうか。
黒エンジュの分岐を過ぎると、道は車が通れるほどの広さになる。ひたすら平ら、ひたすら単調。南斜面に差しかかると太陽が出てきて、ようやく新緑の感じが出てくる。なぜかもうセミが鳴いていた。あれはカエルかなあ、でも木の上からだったよな。
林道に降りて舗装道を出発点に戻るコースではなく、自然林の中を行って戻るコースを取ったのだが、これがまた延々と平らな道を行くのでどうしようもなくなる。話し相手がいるならただ歩くだけなので罰ゲームのようだ。しかも長い。泣きたくなる。
ようやく駐車場に着いたのは、14時。今日は5時間30分の歩き。距離はたぶん12キロくらいか。筋トレと股関節柔軟の成果が出てきたようでバテが少なくなった気がする。
しかし清水がこんこんと湧いている不思議な山だったなあ。もうちょっと緑が濃くなったら盛夏のころなどいいね。コースや施設はとても整備されているので、家族向けにも最適じゃないかな。
<参考>
http://www.keihin.ktr.mlit.go.jp/special/spring_water/01/index.htm