ジョン・レノンの僕の戦争

ジョン・レノンの僕の戦争 [DVD]
ふと夜中に眼をさまし、ああそうだと思いNHK−BS2をつけたは良いが、最初の1時間を見逃していたからなのか、あまりにもどぎつくシュールなので魂消た。
ストーリーは小林信彦の「世界の喜劇人」でわかっていたけども、それを越えていた。うーん笑いの救いのない風刺だけのモンティ・パイソン(しかも絶対にテレビ放映できないモンティパイソン)でした。
例のペンキを塗っただけの兵士の幽霊もすごい。あんな極彩色とは思わなかった。それが淡々とクリケット場をつくるために無駄死にする部隊に無言で自分が死んだのも知らずについてくるのだから、なんとも言えない。しかも編集がぼんぼんシーンが飛ぶし、突然登場人物がキャメラに気づいて「撮るんじゃない」と叫んだりするわ、ドイツ軍とイギリス軍の下士官が友好的にお茶を飲みながら両軍の戦闘を眺めてお喋りしたり…。半覚醒のまま、とりつく島もなくとりとめもなく映画は終わった。おかげでバッドトリップで、いまも調子悪いのです。ちゃんともう一度観なきゃ。
リチャード・レスターの作品は職人芸には唸るのだけど、気合いの入った『ナック』もなんか寝ちゃったし、ストーリーをわざと放るときがあって、そうなるとついていけない部分もあるなあ。いやスゴいんだけどね。戦争を題材にしていまもあれだけ論理的、倫理的にめちゃくちゃできる人ってそうはいないよ。でもDVDも出たばかりなのに放映するというのはどうなのかなあ。私はありがたいが。頑張って売る方は痛手じゃないだろうか。まあ見逃した方はDVDでどうぞ。