泳ぐひと

泳ぐひと [DVD]
録画しておいたのを観る。アメリカン・ニューシネマの本を読むと必ず『イージーライダー』『明日に向かって撃て』『卒業』『俺たちに明日はない』『バニシング・ポイント』と並んで出てくるのだが、一向に上映されない一本だった。
やー久々に文学している映画だったなあ。教科書通りの直喩暗喩に図式的な人物像の配置と科白。まじめな映画とはこういうのを言ったものだけど、奇を衒うやり方もまじめ。悪いことではないけど古いよね。
こういう流れがあって、映画の表現が崩れていく方向に進んだわけだけど、今は別にそんなことを知らなくても良いのだから、ニューシネマ自体が、逆にキャンプユーモアに感じてしまうのではないでしょうか。
モンドDVDブームをみているとそう思う。
昔はニューシネマが日本に来るとATGになっちゃう訳だから、まあそれほど状況は変わらないかな。
いまの感覚だと、バート・ランカスターは××××から××してきて、あそこに現れたとしか思えないのだけど、当時はエトランゼが偽善を暴くという評価だったんじゃなかったかな。
その辺りが郊外の崩壊であったりヒッチハイカーの絶滅だったり、放浪者あるいはホーボーのとらえ方の変化が興味深いです。または疑似家族としてのコミューンとマンソン・ファミリーの衝撃か。
あと××××が70年代までは無辜の人間を抑圧する施設という神話がまかり通っていたと思うが、(これ以上はネタばれになるのでやめます)。
観ていないのですが『成功の甘き香り』を揶揄していたりするんでしょうか。同じ主人公だし、経歴も似ていそうだけど。
あと字幕で「妻がヴァッサー出身」と出ていたのはワルシャワのことでは?ポーランドと言っていたし、違うかしらん。