嵩山

群馬県中之条町
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嵩山(たけやま)は、草津の手前、中之条町を見下ろす位置にある。古くからの霊山であり戦国時代は山城だった。山中の岩陰の至る所には石仏が祀られている。


渋川から、吾妻川沿いのくねくねとした狭い国道353号線を行かずに、対岸の県道35号線を行く。交通量も少なく、道がきれいに整備されて、高台を通っているので景色も良く快適に走れる。植栗の交差点を右折して、吾妻川に架かった橋を渡ると、すぐに中之条町に入る。四万温泉に向かう道に入り、すぐに中之条町交差点を右折。あとは道なりに山道を登って行くと、左手に親都(ちかと)神社が見え、その奥に「ふるさと公園たけやま」が見える。整備された公園には食事処や大きな駐車場がある。
ちなみにこの道をさらに行くと、映画『眠る男』が撮られ木造校舎のロケセットの建っている「伊参(いさま)スタジオ公園」があるという。
公園では、ちょうど5月5日の嵩山祭りに向けて、たくさんのこいのぼりが、ここから山腹まで風に泳いでいる。その風景は壮観。家族連れで遊びに来ている人も多く、賑わっている。


駐車場の奥の東側の坂を「東登山道」の道標に従って進む。東屋があり、そこが登山口。たくさんの竹の杖がサービスで置かれている。草も生えていない切り開かれてむき出しになった斜面は竹林だったようだ。そこにつづれ折れの道が付けられている。少し上って振り返ると、南側に広がった榛名山の全容がよく見える。
道は雑木林に入って行く。まだ木々は芽吹きはじめたばかりで、新緑には少し早いようだ。快晴の今日の気温は20℃以上あるが、日陰に行くとひんやりして快適。ハイキングのひともけっこういる。分岐点が現われたのでとりあえず左側の階段を登る。今日は地図はクルマに置いてきたので、ルートはその場の道標任せにする。しばらく行くと大きな石の下に、素朴な石仏、観音像が祀られているのが見える。山全体で三十三あるらしい。
道の脇に「十六番」と書かれた道標があり、岩に鎖が垂れている。こっちに進むと近道なのかなと思いよじ登る。2本の鎖、10mくらい登ると観音像があった。この先、道はどこかなと探すと、奥の方に赤テープが見える。全然人が来てない気もするが登ってみる。しかしその先はどこにも通じてないkとがわかる。ヤブ漕ぎで直登するしかなさそうだ。そのための目印のテープだったのか?結局また鎖を伝って降りる。
階段は丸太をかたどったコンクリート製なので味気ないがおかげで足場に不安は無い。ここは夏に来ても涼しいのではないだろうか。あと紅葉の頃はかなり美しいだろうな。
やがて道の傾斜が急になると、大きな石が見え、そこまでまっすぐに続く鎖場があり、岩陰のさらに奥まったところに石仏が数体見える。近くまで登り、そこから左手に別の鎖を頼ってトラバースする。石をぐるりと回り込むと、東屋がある。ここが「天狗の広場」だろうか。小さな石祠がある。ここで表登山口からのルートと合流するようだ。
少し行くと、「胎内くぐり」と道標があり、岩の間の細い割れ目を横ばいになって抜けると(ザックを背負ったままだと無理)、さっきの観音様のところに出る。なんだこうやって抜けられたのか。天然の仕掛けがなんともおもしろい。
しばらくは、南側の斜面の道を行く。「中天狗」と書かれた傾斜を登ると、小さな頂に着く。南と東の展望が開ける。ここは二番目の高さのピークなので更なる眺望を求めて先に進む。
頂の反対側を降りると元の道に合流。しばらく行くと石にプレートがはめ込まれていて、この山の所有主が山ごと寄付をしたと書いてあった。スケールがでかいねえ。
観音像がたくさん並んでいる「御城平」(みょうじょうだいら)。その先の東屋がある窪地が「経塚」。そこからひと登り、石稜に長い鎖場が現れるが、よく探すと両側には迂回路もあった。さいごを一気に登ると細長い頂上に着く。ツツジがたくさんあるが開花はまだ先だ。咲いたらきれいだろうな。
その奥に大きな岩があり、よじ登ると「大天狗」に着く(789m)。ここからの360度のパノラマはすばらしい。雪を被った浅間山、新潟の山、谷川連峰がよく見える。近くの山々も箱庭のように見えて手が届きそうだ。
おにぎりを食べて「経塚」に戻る。ちょっと飽きたのでこの先の「五郎岩」、「エボシ岩」はパスする。「西登山口」方面の道標があるので急な傾斜を下ってみるが、最近だれも降りていない様子で整備もされていない。このルートは違うみたいだと気づく。
ここには「表登山口」方面への道標がないんだよね。なんとなくよく位置関係がわかってないままに、「東登山口」の道標に従って下る。こちらのルートはガレ場なので、少し滑りやすい。ジグザグに降りていくと、「一升水」。岩を伝う水があるはずだが、残念ながら水は涸れていた。ここら辺は崖が覆いかぶさるように登山道に迫っていてなかなかイイ感じです。
さらに下って「弥勒穴」と書かれた横道を進む。また鎖場があるので登り、左にトラバース。小さな自然の穴にここにも観音様。やがて道は最初の階段と分かれた分岐に着く。そのまま下って登山口に戻る。2時間くらいのコースでしたが、変化があり楽しめました。


(4分25秒)
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<参考>中之条町観光協会