怪奇大作戦セカンドファイル「ゼウスの銃爪」

生まれながらの円谷特撮っ子だけど、「怪奇大作戦」だけは苦手です。子どものときに「ウルトラQ ナメゴン」の回を見るつもりが、間違って「夜歩く首」を見てしまい、爾来長年トラウマになってしまいました。(いま調べなおしたら「散歩する首」だった。放送は1968年、当時幼稚園児でした…)

閑話休題
今回、中野貴雄脚本、清水崇監督という日本映画最強のタッグで作られたと聞くだけでわくわくします。
西島秀俊ってこんなにいい役者なんだ、としきりに感心する。一時期流行った省エネ自然体演技じゃなくて、自然体に見えるが実は的確過ぎる演技をこなしている。逆に云えば監督の力量を試せる、受けて立つほどの幅の持たせ方ですね。アソビがあるということかな。だから下手な監督だと、ただの器にしか使えないと思う。
オダギリジョーのように、ズラして逃げまくるが、結局は向こう正面受け狙いの演技をするようなこともしない。あと二本あるのでどんな風に変えていくか抽斗がどれくらいあるのか興味津々です。
物語の構成は45分という少し長めの尺を存分に使い、中野脚本の十八番、伏線張りまくりパッチワークの楽しさが繰り広げられる。深夜アニメなら3回分くらいの続けられるアイディアをぶち込み、かつテーマを含めて過不足なく展開している。ここまで正面切って踏み込まれると、清水監督もストーリーを語る以上に膨らませるのが大変じゃなかっただろうか。
しかしよくあの犯人像を許したね、NHK。やさぐれ70年代的ドラマ設定だからさ。今は再びそういうのが許される時代なのか?
シナリオで想定されたキャラクターのテンションとアンサンブルが、監督の趣味だろうか、体温の低さで相殺されているのが、残念。ギャグがオチないのがねぇチョット。テレビドラマの場合。あれでシーン展開、キャラの掘り下げが一気に出来るのですが、清水監督はちょっとマジメ過ぎだなぁ。土曜の夜のNHKのドラマみたいだ(>そりゃそうだ)。
70年代的に乱暴にかっ飛ばしてもいいと思うのだけど。そのあたりの齟齬がね、平成っちゅーうか…(←意味不明)。
今夜、明日(中田秀夫監督)と続きますので楽しみにしてます。
しかし、直後に旧作の「恐怖の電話」に続くのは、粋なのか無粋なのか…。 


公式サイト
http://www.nhk.or.jp/kaiki/


↑時間帯が被るんですが…
http://www.nhk.or.jp/wdoc/
BS世界のドキュメンタリー<映画ファンに贈る>
 ・「ベルイマンの監督術」
    メイキングなのでちょっと見たい。
 ・「ハリウッドの真実 〜成功への方程式〜」
    前に放送されたときに見た、興行から切り取ったハリウッドの姿で面白かったです。