深夜の愉しみ

深夜に『ビリーザキッド/21歳の生涯』が放送されていて、ちょっと観たけど、私のアタマん中ではビデオで死ぬほど繰り返して観た日本語吹き替え版で成立しているので、カットされていたシーンが出てくると却って違和感があるなぁ。
この作品、冷静になって考えると、主役に歌手が三人出てくるし、その他はお馴染みの西部劇役者たちで、まあスターというのはジェームズ・コバーンだけの映画なんだよね。登場人物の多くがアウトローで長髪だったりする。しかも当時すでに時代遅れだった西部劇。
そういう意味じゃ、東映工藤栄一の若者群像ドラマとか、それこそマキノ雅弘の時代劇と根っこは同じだと思うな。
あと、技法で改めて気付いたのが、スローモーションはわかりやすいが、マルチカメラの使い方も黒沢明の流儀じゃないかな。特に望遠レンズを使ってのアップなど、ハリウッドとしては異色だったと思う(今じゃテレビで普通の技法になっちゃったけど)。
それにしてもスリム・ピケンズの最期のシーンは何度観ても泣けるし、曲の入るタイミングが絶妙ですな。