ブレイキング・ニュース

ブレイキング・ニュース [DVD]
ジョニー・トゥ監督(2004)。噂に聞いていた冒頭の長廻しの銃撃シーンがカッコいい。『黒い罠』と『ヒート』を合わせたようなアクロバティック+圧倒的なアクションシーン。どうやっているだかわからないクレーンが、路地で対峙する敵と味方あいだを何度も行き来する動きに、複雑な一度しかできない役者の動き、重火器の効果が加わり緊張感が漲る。普通に撮ればフツーにしかならないシーンを、あそこまで意味なく説得力がある風にねじ伏せることができるのはジョニー・トゥーならではですね。
悪役がいつもいいよね。いつも荒木一郎チックで。冴えないが凄腕で非情というのが好きです。あと物語が進むに連れて、敵と一番ココロが通ってくるあたりが泣けます。最後のカーチェイスも、単純にカメラはバスの中にしかないんだが、ああいう撮り方はできない上手いねえ。そう思うと『デッドエンド 暗戦リターンズ』も面白かったのかもしれない。やっていることは同じだから。向こうはコメディに替えちゃったから、ついていけなかったのだけど、ジョニー・トゥーの中では半ばマジメだったのだろうか。
無駄な説明を極限まで削ぎ落としたストーリー。単純だけど効果的な余計なカットが無いタイトな演出。そして与えられた状況を生き抜く男たちの姿が泣けます。