恐怖の回り道

パブリック・ドメインになっていたので、ネットから落としてきました。
エドガー・G・ウルマーによる伝説的なフィルムノワール。1945年製作。IMDBによると、わずか6日の撮影、主なセットも2つだけという超低予算の作品。大胆な長回しやモノローグによる構成だが、現在から見るとそれほどすごい!という程じゃない。ただ単純すぎてこれで成立するのという心配を越えて、60分強の映画になってしまうところが不思議です。一直線でなんの含みもないはずの短篇を、堂々とした劇に転化したと書いておきますが、ヒアリングができていないのでどこまで不自然じゃないかは不明。
舞台演劇の閉塞空間とノワールの閉じられた世界は、単純なセットによる過度の様式美、人工的な明かりの使い方、劇的な展開など、どこか一致する点があるように思える。