昭和のまぼろし

昭和のまぼろし―本音を申せば

昭和のまぼろし―本音を申せば

小林信彦のお馴染みの週刊文春連載コラム。2005年分をまとめたもの。ネタ的には、戦後60年を軸に、いつもの如くの政治、社会、芸能、東京へのコメントで、彼の関心の範囲も行動範囲も例の如くなので、あまり目新しいものがない。まあ年だから仕方ないのかな。もうちょっと食べ物うんちくなんかを読みたいんだけどな。
でも実はあと10年くらいしないと、この連続時事コラムの本当の価値や意味は出てこないと思う。したたかな著者はそれくらいは既に計算に入れているはずだ。トータルでの、平成のクロニクルとして、なかなか残らない資料として残そうとしているはずだ。
それはともあれ、彼の女優の趣味は変わらずです。そのために変な映画の点が甘くなるので注意が必要だ。その趣味というのは「額が広く、鼻が少し上向きの女性」が好き。ちょっと前ならキャスリーン・ターナー、いまならニコール・キッドマンだ。彼女らの出る映画は大体ホメています。