毛無山 十二ヶ岳(山梨県足和田町)

 久しぶりに友人Nと山に行く。朝4時に出て都心経由で、富士山の麓、河口湖を過ぎて、西湖に向かう手前の文化洞トンネル脇の駐車スペースに9時到着。小雨が降ったり止んだり。富士山がこんな近くにあるのにまったくガスで見えない。
 Nの装備はかなり本格的になっていて驚く。聞くとやたら奥多摩縦走山中泊3日とかのコースを歩いているとのこと。
 登山道入口からダラダラとした坂を登る。ワタシが先行してゆっくりと彼がついてくるようにする。登山道は広く林はマツの自然林で覆われ気持ちが良い。避暑ハイキングには最適だろう。ただ傾斜がきつい割に直登なので、最初ペースが掴めずに四苦八苦する。
 気温は20度前後。今日は都心とそれほど変わらないだろうが、それでもひんやりとした感じが心地よい。ただメガネが曇り続けるのには閉口する。
 随行者がいるといつものように、すぐに「休んじゃおっかな」とならずに休憩回数も減って、逆に歩くリズムが出来てくるから不思議なものだ。相変わらず水をがぶがぶ飲み、アタマにかぶる。30分くらいして前方を見るとケモノが登山道を走り横切った。なんだろうか?タヌキかキツネか。
 11時、毛無山山頂(1500m)。山頂は広く明るい。予定ではここから正面に富士山、足下に河口湖、西湖が見える予定…。
 大休憩で昼食にする。鮭むすびに豚汁。食後にドリップコーヒー。1時間ほどボーッとする。避難小屋の話を聞いていると「山で一泊」にとても行きたくなる。そろそろ挑戦するかな。最低限の装備も出来たしね。
 12時過ぎに縦走コースへ進む。十二ヶ岳まで十二の頂を越えていく。十一まではそれほどキツくないアップダウンで60分かからずにクリア。最後の少し急な斜面の十一ヶ岳を登りきると、下り30メートルくらいロープと鎖場が続く。慎重に降りきると、対岸に15メートルほど吊り橋が架けられている。下が見えるし絶えず揺れるので緊張する。渡り終えた地点からすぐに今度は岩場をよじ登る。その後いくつもの鎖場を連続して越えていく。濡れていたがあまり滑らなくて良かった。岩場好きのNは喜々としてロープを使わず腕と指のチカラだけで登っていく。すごいなあ。
 13時45分、十二ヶ岳(1683m)に着く。小さな祠が建てられている。時折西湖の姿が見えるが基本的に真っ白な景色。いまの季節休んでいると、ハエやブヨがうるさい。
 いま気づいたのだが、左の側頭部からコメカミにかけてタテ5センチヨコ3センチの範囲で腫れている。これはブヨに刺されたな。そのうちもっと腫れてくるだろうか、油断した。
 下りのコースは小石がたくさんあり、ものすごい急坂でなんども滑り転けそうになる。内股にチカラが入り続ける。岩場を過ぎると緩やかな下りで、自然林の薄暗い森の中に入る。青木ヶ原樹海もこんな雰囲気なんだろうか。分岐点からは平坦な林を抜けるルートになる。でもちょっと退屈だけど気を抜くと滑るので注意。
 3時45分に集落の舗装道路に出る。ひとけのない集落にはあばら屋が点在している。なぜかマリンバの音が聞こえてきたので、なんだろうと覗いてみると数人が楽器を演奏している「芸術家の家」という昔の作業小屋があった。そういう合宿生活しているグループなのかな。
曇りも涼しくて良いけど、快晴でカラッとしている高原の景色も良いだろうな。程なくトンネルが見え、潜り抜けてクルマにたどり着く。
 しばし西湖の岸辺で休憩する。まだ夏休み本格化じゃないから人もまばらで寂れた黄昏れた感じがまた良い。

<参考>
http://www.fujigoko.tv/trekking/coc002.html