南天山(埼玉県大滝村)

ryotsunoda2005-06-13


梅雨入りというか季節の変わり目はいつも調子が悪い。気圧が激変すると押しつぶされるようにダルくなる。今週末は雨なのか曇りなのかはっきりしないので悶々とする。雨なら雨で霧に煙る幽玄深山に出掛けたかったんだけど、どうも気合いが入らない。
日曜日も半端な天気で死ぬほどダルいのでゴロゴロするが、エイヤッと跳ね起きて出掛けたのが11時。少しずつ天気は回復して来て、秩父の市内からさらに1時間の山奥、中津川渓谷にある鎌倉橋の登山口に12時45分着。
このあたりは宿泊施設やキャンプ場に日帰り温泉と施設が充実している。そのため登山道も整備され道標がしっかりしていて迷うことはなさそうだ。ただし「4月6日熊を目撃注意!」の新しい看板が…。
沢沿いの緩やかな傾斜を登っていく。人工林の杉林と自然林が適度に混じり、緑が目に優しい。渾々と流れる水は冷たく、ペットボトルに汲むと内側がすぐに白く露が付く(おお南アルプス天然水みたいだ>ちちぶだけどね)。
何度が木製の橋を渡河していくと、30分で方円滝に着く。15メートルほどの高さから岩を伝って流れている。清涼感があるねえ。というお気楽な感想とは裏腹に、さっきから気温と湿度にやられている。
どう考えても一番暑い時間に行動しているよな。しかもじめっとした空気のために、全身から汗がダクダクと吹き出し止まらないし体温も下がらない。頭から何度も水を被ったり、タオルを冷やしてターバンにするもあまり効果が無い。仕方ないのでバテるほど水をガブ飲みする。飲み過ぎで体中の水分が入れ替わったんじゃないだろうか。もしかしたら熱中症寸前なのかもしれない。森の中だから大丈夫だと思ったのだが甘いか。要するにサウナの中にいるようなものだからね。でも時間が経つと空が曇ってきて、少しずつ気温が下がり出したようで楽になってくる。
さらに30分歩くと沢に別れを告げて尾根ルートを行く。
しかし、このルートが九十九折れのジグザグ登り道だ。スイッチバックのように斜面を斜めに行き来しながら高度を稼ぐ。これがなかなかキツイ。3分ごとに休憩を取る。筋力は付いたと思うんだけど、心拍数がすぐに上がるので動けなくなる。
ゼイゼイ言いながら休んでいる間にあたりを見回す。ヤマツツジが終わり、葉っぱや花にイモムシやハチとかいろんな虫が出てきて楽しい。くるくる丸まった葉っぱはオトシブミの卵だったっかな?さいきん判別できるようになったホトトギスの「テンペンカケタカ」「特許許可局」という鳴き声がやたらこだまする。
瀕死でもう泣いて帰りたくなった頃に頂上への分岐点にぶつかる。ここからは尾根伝いに登って行く。岩だらけの道をひたすら登る。意地になって手と足を使って四つ足で一気に登る。
岩だらけの南天山頂上(1483m)に着いたのは15時。風はあるが陽差しが無く、雲が垂れ込めて、すっきりしない。遙か西方の甲武信岳あたりだろうか、雨雲が峰にかかり雨が降っている。北側には両神山がよく見える。
水の飲み過ぎで食欲は無いが、とにかくカレーパンとメロンパンを口に詰め込んで咀嚼する。登ったなーという感慨も湧かず、きれいな景色でもなく、手持ち無沙汰なのですぐに下山する。
尾根を回り込み沢ルートを経由して、切り開かれた人工林の間のくねくね道を下り沢に出る。往路と合流して沢沿いの道をひたすら戻る。
陽が傾き出すと森は暗くなり気分も盛り下がる。今日は時間が遅いからか、2人しかすれ違わなかったなあ。
16時45分。元の駐車場に出る。今日は4時間、9キロくらいの歩き。最後までTシャツは濡れたまま乾かなかった。
これからはもっと蒸して暑くなるので、さらに高い山で早出早帰りをするか。この条件に当てはまる山に行くには首都圏を出ないとならないなあ。ということは前日泊になるのか。車中泊なのか?色々考えないといけないな。
反面今年は季節が一ヶ月くらい遅れているようだから、まだ夏山の気候でもないのかなあ。
とりあえずもう1000メートル前後の低山は冬までお預けだ。
案の定、家に着くと頭痛はするは、身体の節々は痛いわ散々ですわ。でもこれで少しは、対梅雨〜夏用の身体になったか知らん。

<参考>
http://kmgrsnp.hp.infoseek.co.jp/kmgrsnp_179.htm