草映画16

ryotsunoda2005-05-25

話題----ついに出るねHDV規格のレンズ交換が出来るカメラ、GY-HD100。ビクターは近頃頑張っているねえ。一応プロ仕様ですが、見たところ「これくらいはできるぜイズム」に溢れた魅力的な機種だなあ。ソニーみたいに「これからはHDVですよ、お父さん。なんでも撮影できます!子どもの運動会とか、子どもの発表会とか、子どもの卒業式とか、子どもの…」という姿勢でもなく、パナソニックの「HDVなんか終わりますよ、新規格ですよこれからはフフーン」という醒めたトーンでもない。ビクターの場合は「HDVなんかどうせインチキな規格なんだから、まあいままでの技術を寄せ集めてどれくらいできるかやってみるかな」と趣味満開の徒花ビデオカメラを作ってみたカンジが心地よい。こういうカメラが欲しかったんだよねえ。納得がいく高価な遊び道具がやっと現れた。モンダイは値段がどれくらいになるかだよな(どちらにせよ買わないけどね>なんだよそれ)。
http://www.dvworld.com.tw/forum/dvforum/showthread.php?s=&threadid=40182

さて『マイノリティ・レポート(改)』の2日間の撮影は終わり、編集作業へと進む。今回の仕上がり目標は、10分以内という縛りを設ける。なんとかだらけない尺だ。
で、ここで問題が発生。ファイルデータが大きすぎて、ハードディスク80Gで足りない、急遽ソフマップに走り150Gを増設する。カット数が少ないので音楽アタマの余裕を見てそのまま繋いでも12、3分で収まる。
例によって、AviUnlで24p化、インタレス解除をして、色味を『マイノリティレポート』のように黒味を強調し、カラートーンをグリーンに転がしてみる。全編曇天のような東欧風の重苦しい雰囲気が出てきたので良いかな。
室内の実験ラボのシーン。いわゆる精神病棟監禁室のように、真っ白な部屋に三人の白痴がうろうろしているイメージ。まずグリーンバックで撮影した白痴をマスクで抜く。これを三人分つくる。そして同一画面上に位置が被らないように配置する。これだと背景が無いので、CGソフトBlenderを立ち上げ、真っ白な立方体を作り照明をして部屋のバーチャルセットをつくる。そこに人物を当てはめる。『殺人狂時代』のセットのように(あるいはネタ元の『ショック集団』のように)、歪んだ感じを出すために、編集ソフトPremiereのフィルターを使い、広角レンズの効果を出して画面を歪ませる。こんなことやっていると、もはや何重合成したかもうわからなくなる。やっぱさ、デジタルは劣化しないといっても、これだけ重ねると結構画面が汚く劣化する。そこでCGのmist(霧)の効果を足して、画面をソフトフォーカス気味にして誤魔化すが効果が出たかどうかは不明。合成専用ソフトを使えばもうちょっとキレイに仕上がるのかなあ。まあ遊びでこれくらいのことができるのだから大したものだよホント。これを白く飛ばした覗き窓に合成し、ズームインとタイミングを合わせフォーカスインする。ここはアニメの手法でやってみました。ちょっと『THX1138』っぽくなったかな?
おなじカットをソラリゼーションをかけてタイトルバックにする。題名は『黒の倒錯者たち』。増村チックにしたつもり。またも意味は無い。
今回ワンシーン・ワンカットが主なので、編集はすぐに終わる。あと工夫したのは、病室で羽枕を当てて病人を射殺するというお馴染みのシーン。おもちゃの銃には何の細工もしていないので、撃った瞬間にカットを変える繋ぎをする。そのとき2フレームの画面を徐々に白く飛ばし銃光を表現する。枕の羽根が飛ぶのが早すぎてよく見えないので、スローモーションにする。それもわからないようにスローの速度を途中から変える。最初の2秒を300%、次の1秒を200%、でトータル3秒後にはノーマルスピードに戻るようにした。
音声は、アフレコ用にガイドの同録音は一応残して、別にSEだけを作っていく。図書館で色々入った効果音集のCDを借りてみる。どうもぴったり来ないが仕方が無い。最初の地下室の暗い研究室は、取調室のマジックミラーの後ろの部屋のように薄暗いところに、蒸気のように露骨にスモークを炊いてみた。効果音で新聞社の輪転機の音というのがあったので、ピッチを変えて遠くでなんだかわからない機械音というので当ててみた。不快な感じになっただろうか。
屋外のシーンでは同録のセリフの無い部分をリピートで全編に敷いてバックノイズにした。アフレコするときにこれを乗せない人が多いけど、今はノイズがキレイにモニターのだから乗せた方が絶対にイイ。でないといかにも自主映画になっちゃう。
病室は例によってパルスメーターのピーッピーッという音をバックに入れる。まあ当初はSFの設定として未来軍事国家っぽく、CGで軍用機を飛ばそうとか巨大銅像を立てようとか、音で爆撃機プロパガンダを何度も流そうかと思ったが、画が軍事国家っぽくならなかったのでヤメタ(爆)。あと細かい衣づれや足音とかはアフレコで入れるつもり。
音楽はまあバルトークっぽい現代音楽だろなということで、ドタ勘で、リトアニアかどっかあのあたりの作曲家の音楽を探して使う。CDの取り込みに苦労するが、フリーのソフトを組み合わせてなんとか音声ファイル化に成功する。
あとはアフレコ台本を書く。セリフを減らすために書き換えようかとも思ったがあまりにも膨大になるのでこれもヤメル。客観的にはもはや物語を理解することは不可能になっているようだ。まあいいのさ。オレが理解しているんだから。