荒船山(群馬県下仁田町)

今週はゆるめで景色の良いところを狙って行ってみることにする。
5時30分出発。結構寒くヒーターを入れる。国道254号線を延々と北上して群馬県南西部を長野方面へと抜けていく。こんにゃくとネギで知られる下仁田町を過ぎると道は峠越えに入る。
コンビニ限界を過ぎると山道をつづれ折に高度を上げる。「コンビニ限界」というのは、全国どこでもあるコンビニさえも、ここを過ぎると無いぎりぎりと地点を指す勝手に作った造語です。山ではある程度の高さになると木々も生えない厳しい自然条件があって、それを森林限界というので、モジって名づけました。ホントこれを見逃すと昼飯調達ができず悲惨なことになるのです。一度体験しましたが…。
そんなことはともかく山間の道を晴れ晴れとした天気のなかを進むと、突然、でっかいカステラが横たわったような岩山が見えてきます(表現力が稚拙ですねえ)。荒船山だ。やーすげえなあ。モニュメント・バレーというかテーブルマウンテンというか日本には無いスケール感の山ですね。
峠の内山トンネルを抜け、左に折れ舗装された林道に下る。狭い山道を進むとそれでも家があって、創作焼物窯などアトリエなど木々に囲まれた半別荘地だったりする。さらに登ると林の中に最近作られた広い駐車場に出る。
8時到着。まだ誰もいないしはっきり言って寒い。てくてくと林道を登るとすぐに荒船不動尊に着く。境内をちょっと見学して、池に注がれる湧き水を水筒に詰め替える。それほど美味しくもないが、まあ夏になると美味しく感じるだろうね。登山道は軽トラックが通れるほどの広さと傾斜でちょっと拍子抜け。入り口に熊出没!!と書かれてあるのが気になる。
木々はまだまだ芽吹きはじめだ。ところどころにまだ雪が残っていたりする。春の新緑を求めている割には毎週どんどん北に行っているから、結果として春直前の景色ばかりだな、間抜けだ。でもさ、あれだよ、良い時分だと混んでいるしね、と自己正当化をして進む。
ここは自然道と名づけられているだけあって散歩コースに近い。逆に雪山の頃来ると真っ白でスノーハイクが面白いかも。
あっという間に星尾峠を過ぎ、ちょっと急な木段を過ぎると分岐点に着く。ここから目の前に見える行塚山(荒船山)に向かう。この時間でも数人の登山者と行き違う。もうひとつの登山口から来たらしい、みなさんも早出ですね。
息が切れる頃に頂上に着く(1423m)。風が冷たく吹き付ける。祠の献花用のワンカップ大関の水が凍っていたよ。木々の隙間から西に雪を被った八ヶ岳だろうかよく見える。
早々に降りて、尾根を歩く。尾根と行ってもものすごく広い。下から見たカステラの、茶色い部分を歩いているのだ(表現がどうもねえ…)。見渡す限りブナ林と足元が笹に覆われている中をまっすぐな道が通っている。鳥の鳴き声がにぎやかだ。陽光が降り注ぎ気持ちが良い。緑に覆われる頃だと高原の森を歩いてるようだろうな。のんびりとゆっくりと歩く。
それでもカステラの端っこの部分、トモ岩に着いたのは9時30分。近くにはトイレつきの避難小屋があって誰か寝ていたようだ。岩の端っこからは北側に展望が180度以上開けていてこれが絶景だ。正面に大きくわずかに雪がある浅間山。左手奥には真っ白な氷壁のような北アルプスが立ちはだかり、右手奥には、谷川岳か?びっくりするほどのパノラマだ。風が強いが久しぶりの勇壮な景色に見とれる。
ここの岩の先端、崖の部分だけど、柵とかなにもない。へっぴり腰でちょっと覗く。スパッと切れていて真下も見えない。高低差に目がくらむとはこういうことを言うのだなと思ったほど怖い。気を落ち着かせておにぎりを一つ食べる。風がなければ、日向ぼっこができるのに残念。
ゆっくりと来た道を戻る。犬連れで来ている人もいてお散歩にはちょうど良いかも。星尾峠までもどるが時間がまだ早い。もう少し行こうかと、周遊コースに行く。こちらは道がやや細く険しい。急なアップダウンもちょっとある。今日は楽をしてきたのではじめて汗を掻く。古くからの峠道なのだろう、いくつも祠が建っている。
やがて御岳という小さな頂上に着く。祠で占領されている。ここは木曽御嶽山と向かい合っているのでここで拝めば御嶽山に行ったことになったと説明文がある。
ここで11時。おにぎりの残りを食べて休憩する。ちょうど風が来ないので良い。さっき登った荒船山がみえる。ホント平らだね。でっかくて航空母艦のようだ。
さてもう一山行こうかと思ったが、行くと往復3時間はかかるな。まあ今日はこれくらいで勘弁してやろう。
荒船不動尊に向かい途中から近道の沢沿いの道を下って行く。ここも開けた谷間を歩いていってなかなか気分がヨロシイ。わずかに地面から芽を出した草が、静かに春を待っている風情がけなげだ。上州の低山では咲き始めたヤマツツジもここでは芽をつけ始めたばかりだ。今日はじめて出遭った植林された小さな杉林を過ぎると荒船不動尊に出た。ほとんど自然林ばかりだねこの山はそれだけ山奥ということなのでしょうね。
駐車場に着くとちょうど12時。先に下りていたアルプスとか百名山とかの大きな山ばかり行っている群馬のオッサンとしばし話す。
自宅からここまで約100キロあるが、おなじくらいの距離の神奈川の丹沢に行くより近い気がする。東京を抜けないからだろうな。
帰ると頭痛がして仕方ない。寝たりマッサージやストレッチをしたするがどうしようもない。やがて背筋と首筋がものすごく凝っていることが判明。テレビを見ながら4時間くらいかけてほぐす。うーんこれはなにが原因だろうか。さいきん股関節が柔らかくなったので背筋を意識して使ってみた、そのせいだろうか。それとも単に風邪引きだったためで、体調のせいかな?
GWはひと気のないコースを探して登ろうと思います。

<参考>
http://www.kanematsu-chain.co.jp/hp-hide/oder001-200/095.htm