城峰山(埼玉県皆野町)

午前中の用事を片付けて11時30分出掛ける。天気はいまひとつはっきりしないけど、まあなんとか持つでしょうねという希望的観測。
皆野町秩父の北側にあって群馬との県境のあたり。国道をはずれ県道を進むと、満願の湯という日帰り温泉の横を通る。大盛況で駐車場も満車。
ここから道は一車線となり交互すれ違いとなる。それでも集落があり、町営バスが通っている程度の山里。
平将門伝説があるという西門平の集落の外れの道の脇にクルマを停めて歩き出す。13時過ぎ。
登山道は関東ふれあいの道なのでわかりやすいはずだ。最初は急坂ながらも舗装されている。小さな神社を右に見て進むと、急斜面ながら陽当たりの良い畑が見える。所々で紫色の野草の花が咲いていてきれいだ。しばらくくねくねした道が続くとようやく登山道入口の道標が見えた。
沢沿いの道を入ると、杉の木が何本も伐られ放置されている。なんと荒れた感じの林だろうか。まあそれでも踏み跡があるからいいか。倒れた木々で登山道が塞がれているので、迂回したり乗り越えたりする。
道もなんか頼りないなと沢に別れを告げこれから高度を上げるのかなと思ったあたりで、あれ、道が消えているぞ。あたりを見回しても無いぞ。おかしい…。やはり沢を登るのだろうか。
ちょっと戻って涸れ沢の岩を越えて進む。左右に渡河したり、倒木を避けて行くが、どうもピンとこない。どんどんルートが険しくなっていく。ふと見上げると右手奥100メートルくらい先に林道のガードレールが見える。あそこまで登ればと進む。しかし、岩に阻まれそこを通り抜けるには、一本の倒木を渡るしかないのだが、これが心もとない。試しに体重をかけると「ピキッ」と音がする。もしこれで折れたら怪我するし、もし越えても戻れなくなるかもしれない。うーん悩む。
やーめた。無理しても仕方ないよ。もう数人いたら進んでもいいかも知れないが。横手の岩場を無理矢理垂直に登れるかと岩に手をやるとばらばらっと崩れるだけだとわかった。
このルートは違うのだろうとすごすごと戻る。そもそもなぜこんなことになるかというと、また地図が手元にないからだ。こちらの観光案内所とかで手に入れようとしたができなかったという初歩的なミスのためですわ。(←教訓の利かない男)
再び道の無い地点に戻る。どうするか…。そのときゴロゴロという雷鳴。ゲッ落雷だけはヤダよ。一目散に戻る。
で登山道入口が見えたときに左手に道が見える。なんだこれは。まあ行ってみよう。ダメなら引き返せば良いと弱気になって登るが、この道が整備されていて広く坂の傾斜もなだらかだ。あっと言う間に、さっき見えていた林道まで登ってしまった。これが正規のルートじゃん、クソぉ。
林道を横切りさらに登山道を進む。ここらで雨がポツポツと降り出したので、折りたたみ傘を開く。
なんか雨に濡れた土の匂いも良いよね。静かな雨だれの音もさ。
杉林の中を徐々に登り、送電線の鉄塔下を回りこみ、雑木の広葉樹の落ち葉が積もった中をしばらく進むと、鐘掛城に到着する。15時。
曇っていてももともと山城なので遠望が利く。気持ちいいなあ。今日はコンビニに寄るのを忘れたので、温泉の近くにあった農産物直売所で買った漉し餡のまんじゅうを二個、コーヒーで流し込むという気色の悪い昼食を摂る。
この先の目的地の城峰山が見えるが、その前に小ピークがひとつある。うーむこのまま行くと二回アップダウンがある。下手すると片道1時間かかるな。日暮れになるかも。それはいいけど疲れそうだ。
と逡巡していたが気づいた。さっき、この山に登るのに巻き道があった。するとこの先にもあるに違いない。まだ根雪の残る山の北側の階段を下りる。この氷化した雪も今週中には溶けるだろう。案の定巻き道があったので喜んで行く。小ピークを登らずに済んだ。
しばらく行くと林道にぶつかる。石間峠だ。カップルを乗せた軽自動車が停まっていたが、すぐに出て行った。そういえば朝刊に隣村でまた練炭心中があったみたいだ。秩父はちょっとした名所化しているよねえ。
ここから最後の急坂を10分ほど登ると、城峰山(1037m)の頂上だ。頂上には大きな電波等が立っている。その足元を3階分ほど鉄の階段を登ると見晴台だ。360度のパノラマだ。生憎山がそれほど見えない。真冬の風の強い日に来ると良さそうだ。
のんびりしたいが、冷えてくるので退散する。往路と同じコースを戻る。躓きそうなところもないので考え事をしながらどんどん行く。
クルマに戻ったのは17時。
迷ってちょうど良かったくらいの時間配分ですな。

<参考>
http://www.sunfield.ne.jp/~s-hirata/y_html/joumine.html
http://www.sunfield.ne.jp/~s-hirata/y_html/joumine.html