大盗賊

大盗賊 [VHS]
(1963)谷口千吉
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD21221/index.html
世界のミフネが呂宋助左衛門(るそんすけざえもん)に扮して、南洋に冒険の旅に出て、悪い宰相と魔法使いに支配された王国で囚われのお姫様を助け、盗賊とともに海賊をやっつけるという痛快活劇。稲垣浩の時代劇っぽいのかと思ったら全然違ったよ。
ミフネさんはなにやっても、黒沢映画の主人公にしかみえないので、すぐ「バカヤロウッ」て怒鳴るのがパロディなのかマジメなのか判断に困る。まあやっぱ笑っちゃイカンのだろうけど…でもおかしいデス。
東宝で南方ものというとどうしても『モスラ』とか『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』となりますが、東南アジア風でもあり、「王様と私」の西洋から見た目の植民地志向な作りでもあって、無国籍というか奔放なところが楽しい。エログロに行かないお子様向けとしたらサイコーの出来ですね。円谷特撮もあるしね。
それにしても東宝という会社の、戦争協力映画→サラリーマン映画→南洋映画という繋がりの見事さというか一貫性が、太平洋戦争時代から戦後のモーレツサラリーマンたちの南方進出の夢(パラダイス)を映画にしていく方向性が、他社のあり方とまったく違うところがオモシロイ。これが、東宝プロデューサーシステムであって藤本真澄や田中幸友のセンスなのだろうかねえ。