夏草の道 小説浦山桐郎

小説 浦山桐郎―夏草の道 (講談社文庫)

小説 浦山桐郎―夏草の道 (講談社文庫)

小説と書かれているので真偽の程は定かではないが、映画監督、浦山桐郎の想像の源を、ただただかれのコンプレックス意識に求めているフロイド的な解釈は通俗かつ一方的であろう。小説を書いた本人の手柄にはなるが、書かれ たモデルにとっては不名誉としかならないものだ。
日活時代の浦山作品の素晴らしさはそんなところに留まらないし、説明がつかない。原一男の本も読まないとなあとは思うのだが、本書のような文脈から逃れられるのかねえ。