サム・ペキンパー

サム・ペキンパー

サム・ペキンパー

実は原書を持っているのだけど、読まないうちに邦訳が出てしまった。万遍なくちょっと離れた位置から書いているので滅茶苦茶な人としての神話度は低いが、ペキンパーの粘着質で疑り深い性格がよくわかる。作品の予算超過にしても、結局は逆説的にハリウッド・スタイルのやり方でしか映画を撮れない人なのだな、その意味ではまさにオールド・ハリウッドまたは滅び行く西部の男を実践していたことがわかる。
作品が完成して上映される前に興業成績に自信を失い、次の作品の契約をしたがり、結果として自分を弱い立場に置いてしまう悪循環の繰り返しと言うやり方。
キラー・エリート』をアクション映画のパロディとしたと言ってもあの鈍さ加減ではね、やはり大イグアナな人だったんだろう。
読めもしない原書を買ったのは、本書358ページにも載っている写真が好きだったからです。