マジック・アワー

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イギリスの撮影監督および監督であるジャック・カーディフフィルモグラフィーは謎だらけだった。技巧の極致のマイケル・パウエルの『赤い靴』を撮ったと思うと、ジャングルロケの『アフリカの女王リチャード・フライシャーと組むと、監督としてマリアンヌ・フェイスフル主演の『あの胸にもう一度』とかB級作品を作っていたりする。その謎が本書を読むとほとんど明かされる。それについてはここでは書かないが、サイレント時代からキャリアをはじめテクニカラーキャメラの名手として名を馳せるようになる。彼が会った女優たちのポートレイトも素晴らしい。マレーネ・ディートリヒエヴァ・ガードナー、特にマリリン・モンロー!ほかにも出会った俳優、画家、監督たちのエピソードもイギリス人らしいユーモアを含んで読ませる。訳文がちょっとピント外れなところもあるが、あとテクニカラーキャメラについて解説があっても良かった。