「B-B枢軸」極秘ルート

「B‐B枢軸」極秘ルート (角川文庫)

「B‐B枢軸」極秘ルート (角川文庫)

BOOKOFF某店の100円コーナー書棚より回収する。(なんかジョー・ゴアズの「ダン・カーニー探偵事務所」みたいでカッコ良いな)
作者のイブ・メルキオーは第二次大戦中アメリカの諜報機関に勤めていて、その経験を活かして戦後スパイ小説を書いている。何冊か読んだと思うが、まったく内容は記憶に残っていない。ただ最後まで読んだのだからそれなりに楽しめたのだろう。本書も然り。
ただ細かい事実情報をこれでもかと入れてくる部分に、そういえば冒険小説の楽しみってそういうところにあったよなあと思い出しました。ナチ親衛隊の戦後逃亡ルートでは「オデッサ」が有名ですが、この本のタイトルになっている「B-B枢軸」(ベルリンからイタリアのバリ)というのも本当にあったというし、ドイツの町々で全市民にナチの残虐行為の記録映画を強制的に見せた、これを〈ミッキー・マウス・フィルム〉と呼んでいたなど、当事者ならではのネタの豊富さが冒険の絵空事をもっともらしくする手法であり魅力だったよね。最近ではどうなのかなあ。