ゼブラーマン

なんか負のテンションだけが上がったような気がする。エンドタイトルに出てくる、日本で大手のテレビ、映画、出版、広告代理店のメディア企業の名前を見ていると憂うつになる。いま日本で一番発言力のあるシナリオライターが恐らくは企画会議で出したのであろうワン・アイディアをそのまま最後まで、なんでみんな通したのだろうかというのが不思議。百人以上はこの映画に携わっていると思うが、この脚本でOKなのでしょうか。
それがもっとも気になるところですが、その他にも撮影と照明がひどすぎる。役者の顔が前のブツで見えなかったりガタガタのズームはするし、屋内の照明も影がもろバレだったりする。なんだこれは?
演出もチグハグでコメディなのかシリアスなのかわからん。芝居の間がヘンだ。意味なくロングでワンカットだったりする。SFマインドは『アンドロメディア』のときから進歩が無い。Jホラーのパロディをやって誰が喜ぶのか。スカッとせんのよ。
官九郎のシナリオは、アイディアと設定だけで登場人物や物語のまわりを固めていないから、途中で勢いがなくなり展開できずに失速してそのまま元に戻らない。まあ小劇場芝居やテレビドラマなら良いんだろうけどね、途中でCM入るし、正味40分くらいだから。んーでも『ドラッグストア・ガール』を観てまで確かめに行くというのもねえ、そこまで付き合う気はないなあ。
しかし、こんなに撮影にカネをかけていない映画も久々だ。結構16mmで撮っているんじゃないの、画面の荒れ具合から見ても。Vシネよりももしかして実写の予算が無いんじゃないか?(どこにかかったのかはネタバレになるので書きませんが)それって映画として、本末転倒じゃないだろうか。「映画」百本主演作品なのでしょう。この一週間ほどテレビの哀川翔の露出は凄かった。まあ訳のわからんブームを作って売らんかなは良いけれどさ、ホントみんなこれでいいのか?