鷹ノ巣山

ryotsunoda2004-12-21

家を真っ暗な4時30分過ぎに出発。今日は奥多摩鷹ノ巣山を登る予定。コースタイムだと8時間くらいの行程なので、何かあると明るい内に戻れない可能性があると思い、こんな早朝深夜出となった。
2時間で東京の水がめ小河内ダム駐車場着。気温0℃でアスファルトは軽く凍結している。あたりは徐々に明るく白みかける。水根沢沿いの細い舗装道に入り、急坂をくねくねとしばらく上がると水根部落の家並みが山すそにへばりついていて、直下に奥多摩湖が見える。
道の終わりが登山道。洗濯機が回っている民家の裏手の間を行き墓地と畑の間から植林された杉林に分け入っていく。途端にものすごい急坂で全然進まない。すぐに地元の神社と出会う。いろんな神様が祭ってあった。ここから本格的につらい傾斜だ。この先を考えると途中で帰ろうかと弱気になるくらいしんどい。
7時前に朝日が差し込みようやく明るくなってくる。静かな林の中で息を切らせて休んでいると、他の人はぬくぬくとストーブに当たり熱い味噌汁でも飲んで新聞読んでいるのに、こんなところで俺は何しているんだろうと本気で思ってしまった。それでも進むと、杉林が切れて落ち葉が堆積する自然林へと変わり、突き出した平らな小山の山頂に着く。目的地の鷹ノ巣山が枯れ枝の間から見える。持ってきたみかんが沁み入るように甘く美味い。
落ち葉を踏みながら岩が露出した傾斜をぐんぐん上がる。が、上方に尾根が見えてくる頃ふたたび傾斜がきつくなりペースダウン。最後に大きく右にルートは曲がって開けた窪地のトオノクボから尾根道に合流。防火帯のため、尾根の真ん中は20メートルほど切り開かれていて歩きやすい。
キツツキがカツカツカツと木を叩く音がしたが姿は見えない。ここから六ツ石山までアップダウンを繰り返す。開けた道は雨水の流れて抉れたワダチのある泥道なので歩きにくい。
9時30分に六ツ石山着。眺望はあるが別段、見るものはなし。夏には一面がお花畑になるらしい。ここからちょっと下り山の北斜面のなだらかな縦走路を行く。陽の差さないからか10センチくらいの巨大な霜柱がある。誰も踏んでいない霜柱をぐしゃっとやるととてもトクした気分になる。
ガサッと音がしてびっくりすると、鹿が眼の前を横切った。まだ仔鹿だ。人間をはじめて見たのか物珍しそうにじっと動かずに眺めている。こっちが恥ずかしくなって写真を二三枚撮ってそそくさと去る。
しばらくすると尾根伝いとその迂回路に分かれるので体力を考えて迂回路を行く。しかし迂回路は道幅が狭く見晴らしも良くない。そろそろ多少のアップダウンがつらくなってきた。登り道になるとまったく進まない。二度ほど地べたに座って休憩を取る。遠くに目をやると奥多摩の山では道筋が尾根伝いなのでどこを歩いて来たかすぐにわかるので、まあよく歩いたなと感心する。メジロらしき鳥が興味深そうにこちらの前を飛びまわっていた。
ようやく尾根道に合流すると鷹ノ巣山の頂上が間近に見えた。しかし全然進まないよー。キツイキツイ。高度のせいか遮るものもないので風もどんどん強くなり寒さも増す。体感温度は氷点下ではないか。
12時にようやく鷹ノ巣山山頂(1736m)に到着。ここには別ルートからも合流しているので人が続々やってくる。景色は曇ってきて遠望はいまひとつだが、奥多摩の山並みが近くよくわかる。おにぎりとマカロニカップスープが昼食。やはり魔法瓶の熱湯は冷めてしまう。半煮えのマカロニを腹に流し込み早々に出発。
尾根ルートから別れ下り道を行く。なだらかな榧ノ木尾根伝いのルートは自然林が気持ちよい。新緑のころが一番いいいだろうなあ。下りの傾斜も楽なので軽快に歩ける。ルートには赤テープの目印が何も無いけど、踏み後程度で充分に道は分かる。開けた台地が所々にあり山の中なのに公園の大きな広場のようだ。
またガサッと音がして今度はクマかと思ったら、サルの家族だった。5匹くらいが30メートルほど先でなにかしていた。人馴れしているのだろうかまったく逃げない。
杉林と自然林が交互に現れるという不思議な風景に慣れた頃、倉戸山の広場に着く。この先もダラダラした景色の変わらない下りなのでちょっと飽きる。沢に合流して渡り杉林の暗がりを抜けると里に出る。ここから登ってきた山が見える。結構急だったんだなあ。暗くて見えなかったのでよかった。知っていたらゼッタイに挫折してた。
一般国道を歩いて駐車場に着いたのが15時。8時間の歩行。登山道だけだと7時間30分くらい。約10キロの距離、標高差1230メートルくらいかなあ。昼間の気温でも8度だった。
今日は休憩のたびに徹底的なストレッチをしたので、下山後もほとんど身体の痛みがなかったし、疲労も残らなかった。かなり冬山の山歩きに自信がついた。堪能致しました。年内にもう一回行けるかなあ。