草映画8

ryotsunoda2004-12-10

完成作品をどこで観ようかと考えた。ウチのテレビモニターでこじんまりというのもねえ、せっかくの大作(?)をそれも虚しい気もする。色々検索してみる。カラオケボックスとかどうかなと思ったがいまひとつピンとこない。どっかの会議室会場を借りるとなるとやはり高いなあ。
で、さらに調べると川口市にSKIP CITYという、国がカネかけてデジタル映像制作の拠点にするとかなんとかぶち上げている施設があって、そこに100インチモニタがあったりする。使用料金も手ごろなので問い合わせるが要領を得ない返答のメールが来る。いらいらして直接電話をすると係員が、「モニターは付属する編集室の映像を見るために設置しているので、もし単独で使うとなると職員が土曜日は出る予定がないので鍵が開かない」と寝ぼけたことを言う。なんで公共施設を使いたい人間よりもオメエーらの都合が優先されるんだ?土曜日に出て来たくないだけの話だろうが。アホか、客商売したことねえからそんなこと言えるんだ。バカな木っ端役人に難題を吹っかけていたぶってやろうかと一瞬思ったが、時間の無駄なので諦める。お役所の考えることはそんなところですな所詮は。結局、友人宅で借りてきた液晶プロジェクターを使って拡大上映する。
上映して思ったのは、画の生々しさが消えて違和感がかなり無くなる事。それと音がイイってこと。どうしても較べる基準が20年前の8mm映画になるので、別段なんの工夫もしていないのに簡単にクリアにステレオで音が出てくることが信じられない。音を編集するときのノイズがまったく出ないのだから大したものだ(当たり前かな?)。今回はセリフが無いので音楽について余計そう感じたのかもしれない。
私はDVDを焼く手立てを持っていないので、PCごと運んで来てビデオ出力端子からプロジェクターに繋いて壁に張った白模造紙に投影した。VCDにも焼いてみたが、まあこれも普通に見られた(VCDはVHS程度の画質といわれてます)。
Mpeg2(DVD規格画質)の映像データを友人氏に渡して、DVDへのオーサリングをしてもらう。メニュー画面を作り、本編とスチルギャラリーを収録する。待機画面の音楽もついた。みんなでワイガヤと意見を出し合い悪乗りでジャケットも作った。わーいなんか本物のDVDみたいになった。これくらい具体的な作業だと皆理解できるのでそれぞれ担当してくれたりして楽しい。(ジャケット写真をアップします)

うぬぼれになるけど、今回の到達点が予想よりも高かったことに改めて驚く。はじめは香港製のVCDレベルの安い広東語アクションっぽいカンジのものができればいいかなと思っていたんだけどもね。予想外に今後も色々工夫すればかなり本格的にコントロールできそうな質にまでなったと思う。実はその一方でビデオでやるならここらまでいけるだろうという目論見というか計算も少しはあったんだよね。
それは、以前にVシネホラーの現場を覗きに行ったことがあって、知り合いの知り合いが監督デビューで、予算が無いというので手伝いでもと呼ばれて行った。条件が撮影日数が8日間で90分前後の仕上がり、スタッフはまとめて京都から呼んだということ。朝から晩までギッチリのスケジュール。
そのときはフィルムじゃなくて業務用のビデオ(ベータカム)で撮っていたんだよね。それで半年後くらいにビデオ屋に出たので借りてみた。意外とうまくフィルムっぽく仕上がっていたので、ビデオでもこれくらいのことは出来ることはわかった。
よくテレビで再現フィルムっぽいのやるじゃん。でも白っちゃけていかにもビデオ画面をいじってみましたという画にしかならないのは、編集スタジオで本格的に暗部を絞めて暗くしようとすると、たぶん現行の放送の明暗レベルの基準に触れるのでスタジオの技術者が勝手に明るくするためだと思う。テレビが壊れないためというかどのテレビでも映るようにするための暗さの最低基準が決められているはずなんだよね。件のVシネ作品はそこをわざわざ暗めに作ったのだと思う。まあテレビじゃないからそのあたりを突っぱねられたんだと思うけど。
そもそも業務用ビデオを、テレビ放映レベルの画質で編集するとき、PCには無圧縮で取り込むので理論的に画質が荒れることはない。DVの場合はデータを小さくするためにDV圧縮というのがテープに収録される際に勝手に行なわれ圧縮した画面になるので、どうしても画質が業務用よりも落ちるのは仕方が無い。それ以上の画質を求めるのなら、業務用のビデオと編集システムを使うしかないだろう。最低でもあと数百万円は要る。機材レンタルする手もあるけどね。
そこまでカネをかけてVシネを作ることもないので、現在の地点で妥協して出来ることを模索している。
私は育ちが悪く向上心が無い人間なので、小理屈をこね回して10年に一度35mmでマジメな映画を撮るよりも、熟考する前にビデオで次々とフザケたのを撮るというスタイルの方が好きだ。もっと言えばプロだとかアマだとか商業だとか非商業だとか芸術だとか娯楽だとか、すべてどーでもいいんだよねえ、俺らがオモシロければそれでいいじゃん。

で、味をしめたので2週間後に第二作目の撮影をすることにした。