草映画7
今回の撮影ではなんでも試してみるということで、まずはブルーバックによる合成をやる。最近はグリーンバックも合成用布として使っている、デジタルではブルーよりグリーンがヌケが良いという説があるが、本当はブルーの場合は青い眼の異人さんは目がヌケちゃうのでグリーンにしているのが真相だろうね。
この映画では弾丸が何発も身体を突き抜けて腹に風穴が開くという残酷ギャグをやる。まず適当に切り抜いたブルーの布地を腹に当てて撮影する。本当はきちんと貼り付けたほうがキチンと抜けるだろうがいい加減にやってどんなもんか試してみる。
編集ソフトPremiereにはブルーバックが抜けるクロマキーの合成機能があるのですぐにどてっぱらに穴が開いたカットができる。簡単すぎて拍子抜けするくらいだ。でも細かいところはやはりキレイにヌケない。合成の継ぎ目が見えてしまう。やはり合成専用ソフトAfterEffectを使わないとダメみたい。ただし非常に高価なために今のところはこれで良しとする。もうちょっと明かりを当てて丁寧に撮影すれば少しは誤魔化せるけどね。でも8mmの時代に較べればなんも余計なことを考えなくても失敗もしないから便利になったもんだ。
次のテストはCGとの合成。まあこれはある程度出来はわかっているけどみんなを驚かすためにやる。フリーのCGソフトBLENDERを起動する。ネットで探したジャンボジェット747のデータを展開して適当にグレイにペイントして、ライティングを太陽光にして上から当てて、仰角気味のカメラに向かい奥から上を通り過ぎる2秒くらいのアニメーションを作る。空抜けになり短い単純な動きになるのでぱっと見ただけでは気にならないのはず。違和感がないジャンボの飛翔になったと思うが、本当は飛行機雲とか埃が舞うとかエフェクトが付くともっともらしい。今回はドラマと絡まないからへぇーで終わってしまった。
あとマズルフラッシュ(銃口から出る火花)をCGで作ろうとしたがうまくいかず、ペイントソフトで描いて合成したんだけどイマイチだった。
次に音の仕上げに入る。本当は効果音=サウンドエフェクト(SE)のCDを手に入れるとかDATで録りに行けばいいんだけど、面倒なのでネットで拾ってくる。Premiereのフィルターには音を加工できる機能が結構付いているのでエコーやリバーブを多用して音の距離感とか作っていく。本当は色々作れるとは思うけどまあこんなものかな。
音楽は手持ちのCDから曲を取り込み、フレーズをちょっとずつ抜いて編集していく。足りない部分はコピペしたり、ピッチを変えたりして尺と合わせていく。で最終Mixingをする。音の上げ下げなどなどは普通の作業で奇を衒わずにきれいに仕上げた。19カット、2分33秒
*当日の撮影メモが出てきたので付記します。この通りには完成しなかったけどね、それはご愛嬌ということで…。
マカロニっぽく
皆殺しの激斗――裏切りのはらわた
(3分)
<物語>
荒野で一人の男が処刑される。
彼は組織のブツを勝手に横流しした挙句、取引相手に消された。
組織の人間が集まりブツと裏切り者を探し出すことになった。
そのために呼ばれるはみ出し者ふたりの男たち。
調べていると処刑された男の兄とその一族が現れて彼らを捕らえる。
拷問を受けながらも一瞬の隙を突いて逆襲する。
隠されたブツを取り戻しふたたび荒野に出て裏切り者の兄を追いつめて撃ち殺す。
#1.処刑と死体 外/昼 弟が殺される 逆光 NDフィルター 黒紗掛け
#2.組織の会議 内/昼 メシを食う ナチュラルライト スモーク(?)
#3.クルマの走り 外/昼 スクリーンプロセス ブルーバック合成 正面、横
#4.街なかの実景 外/昼 二人の歩き 階段 スティディカム
#5.一族の逆襲 内/夜 暗い部屋 殴るバイオレンス 傷メイク
バスルーム 間接照明
室内銃撃戦 瞬間の光
#6.銃撃戦 外/昼 逃げた敵を追いかける
森、林 複数キャメラ
擬似スローモーション
(シャッタースピードの変化?)
決闘 人体損壊 ブルーバック
爆死
DVを「Filmシミュレーション+3:2プルダウン」変換することで、TVモニターで見るVシネレベルの画質になるか。
<以上>