草映画4

ちょっとした撮影Tips。
撮影、まあスナップ写真でもいいや。どこから撮りますか?質問の意味がわからないかな。言い換えるとどこにカメラを置きますかってことです。それがどうかしたかとお思いでしょうが、これを意識的にするかしないかでカット単位、映画全体の画面の出来が全然変わるんです。
「カメラを置く場所」とはどういうことか。それを撮影者または監督が「アタマの中のイメージ通りの画を撮るためにカメラを置くポジション」と答えるだけでは充分ではありません。それだと、あくまでも人間の目でモノを見ている延長に過ぎないのですね。
大切なのはカメラの目でモノを見るクセ、人間の目との違いを理解することです。
望遠、広角、標準というレンズサイズがあります。一般に人間の目の遠近感に一番近い標準サイズが35mmフィルムの場合は、50mmレンズ。デジタルビデオの場合は、15mmくらいかなあ(要調査)。でも目盛りもないアマチュア仕様カメラがほとんどなんでレンズに数字が刻んでいないと思うので、ズームを動かしながら、肉眼とモニターの遠近感のザイズが同じくらいのところに印をつけとくのが良いかも知れない。
その場所がわかったら、もうズームには手を触れないこと。大体、フレームを決めるときに、意識していないと、このあたりだろうと適当にカメラを置いて、あとはズームで切り取って構図を決めるでしょ。そうではなく、画面に入らなかったり遠すぎたら、その都度カメラを移動させて、思ったとおりの場所に置くようにする。そうするとまず全体の遠近感が統一できるので、無意識のうちに観ていて心地よい画面になる。美的にテレビではなく映画らしくなるといった方がいいかな。
あとレンズサイズを制約してカメラポジションに自覚的になることで表現の幅が広がる。背景とかぼかし具合とかを含んだ構図を作り込むテクニックができるようになる。標準レンズを意識できると、逆に広角や望遠レンズをも意識的に効果として使いこなすことができるようになる。要するに目の延長ではなく、カメラという機材を通して現実を見ることができるようになるということです。それがカメラマンの腕でもあるのです。
だからプロのキャメラマンは肉眼ではなくカメラの目で見ているので「写るんです」で撮ったスナップでも、素人とは全然仕上がりの違う写真が出来るのですよ。
まあお試しあれ。