草映画3

しばらく書かなかったのでどこまで行ったのやら、まあいいや、マジメに時系列に記述しても収拾つかないので色々話を飛ばしていくことにします。

今回、草映画をはじめるのに、美学的なところと技術的なところがどこまで出来るんだろうかと興味があった。
まあデジタルビデオ(DV)は、3CCDタイプのプロ用というかテレビで放映してもいいんじゃないかレベルのカメラでも、光学的な部分では8mmにも追いついていないと思う。細かい手動設定ができずに自動または半自動になっている部分が多い。メーカーがこれくらいでよかんべ主義で作っていて、ユーザーを嘗めているのでこういうことになる。(買う対象を田舎の祭りを撮っている道楽ジジイをターゲットに設定しているため)
なので、テレビ映像でなく、美学的に作りこもうとすると、どこまでも手がかかるし、そこまで使い倒すことができるか、機械が応えてくれるかというのは結構キビシイものがある。
その中でも何か映像的に面白いことができないかと思って、手作りスティディーカムを導入してみた。
ハリウッド映画では手持ち映像の代わりの定番になったカメラ安定装置、ネットで探すと、みなさん挑戦してますなあ。そこでホームセンターで部品を買って作ってみました。ネジとパイプとガムテープで作った廃材のような代物。見栄えは悪いけどなんとなくいい感じ。
早速、テスト撮影で、男二人が階段を駆け登るのを後ろからフォロー撮影してみる。すると滑らかな移動撮影ができて、モニターでプレビューすると一同声を上げて感心する。本物と変わらないというのは大げさだけど、スティディカムの浮かぶような動きは明らかにわかる。
手持ち撮影と何が違うのか。実は手持ちでブレないと思っていても、気づかないけれど、カメラが縦に振れているのです。お辞儀しているのですね。自分でアタマを縦に小刻みに振りながら歩くとわかるけど、ほんの少しでも気になります。でも、手持ちの映像=見た目の主観映像とはそういうものだと学習させられているのであまり深く気にしない。
スティディカムはその縦揺れをヤジロベエの原理で吸収するために、画面が滑らかになる(…たぶんそういうことだと思うが)。手持ちというよりは、三次元の動き、クレーンの動きに準じる、そういう滑らかな動きと考えれば分かりやすいと思う。
ただ、操作するのに熟練がいる。大回りに対象をフォローしないとうまくフレームに入れるのが難しい。トラックの運転のように計算して大きくハンドルを切らないとならない。
そのあたりのコツを覚えれば、安定した豪華な画作りが簡単にできるし、多少のことでは三脚を立てずにどんどん撮れる。ちょっとしたジェームズ・キャメロン風な動きになり画面に立体感が出てくる。
ただカメラとバランスを取るための同量の重りがあるので体力が必要だ。