デッド・コースター

デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2 [DVD]
デヴィッド・エリス
ワーナーマイカル大井)

もうすぐ終っちゃうんでどうしようかと思っていたんだけど、お薦めもあったので前作を復習してから行く。
ホラーという枠組なんだけど、運命のいたずらで生き残った人が次々悲惨な死を遂げる、しかも毎回死に方が凝っているので昔のスプラッターを観てる人には楽しめます。きちんとまともに撮っているので、こけおどしのスラッシャー好きにはもの足りないかも。
低予算なのでニューヨーク郊外の話なのにカナダ・ロケしています。予告やCMでお馴染みのカー・クラッシュ・シーンは少ないキャメラで頑張って全体をカバーしている。しかも失敗しないような複数のキャメラだったり広角めのレンズじゃなく、見た目に近い標準めなので余計迫力がある。しかも最近流行りのスロー・モーションも最小限に押さえ、無駄の無いモンタージュで見せてくれる。キャメラの置く位置が的確です。撮影時に編集が出来ている理想的なアクションシーンです。ハリウッドもまだやればできるじゃん。
監督は『マトリックス・リローデッド』のカーチェイスの第二班監督したというが、あの出来には不満だったんじゃないのかな。『マト2』は一瞬一瞬の画としては格好良いんだけどね、シーンとしては完成度が低い。ストーリーボード通りでそれ以上じゃないってこと。新人監督の陥る罠だ。しかし現場の叩き上げのこの監督は、惜しげも無くアクションを繋げて迫力を増して見せる。CGもわからないようにうまく使っている。まあ切断シーンで
1箇所露骨にやっているのだけど、サイコーに笑えました。こういう非道ぎりぎりのユーモア好きです。
消化しきれていないけど、シナリオが学園ものホラーでなく登場人物を雑多にして膨らまそうとしたのは、スティーブン・キングの緩用だろう。あとは一作目と緩い関連性を持たせているので、第三作もできそうですねえ。
とりあえず大作じゃないけど娯楽作品の観たい方、ウェス・クレイヴンジョン・カーペンターで満足できない人。『殺し屋1』まで行くとキツイけど、ああいうの好きな人。どうぞ。