誇り高き男たち

誇り高き男たち (ハヤカワ・ノヴェルズ)

誇り高き男たち (ハヤカワ・ノヴェルズ)

 このシリーズも傑作と言っているのだけど話題になりません。日本の藤田某とか佐々木某とか、日本人サムライ将校の諜報ものに比べて格段の出来の差があるのだけども。
 今回は、オリエント急行と、トルコ=バグダッド間を繋ぐ鉄道建設をめぐる国際陰謀にドイツ、フランス、トルコ、イギリス、アメリカが入り乱れての活劇。いままで読んだことの無い男と男の決闘の仕方。そのアイディアに感服します。またすごく笑える。作品の完成度の高さ、冒険小説としての円熟味、ユーモアのセンスの上品さ、まさにエンターテインメントの極致です。気取って消化不良の分厚いだけの国産冒険小説を読むのならこれにしなさい。お釣りが来ますこと請け合いです。