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 MISSION IMPOSSIBLE 2 00ジョン・ウーヴァージンシネマズ市川コルトンプラザ

 廃人同様になっていたデ・パルマにとどめを刺した、シリーズの第二段。
 『アイズ・ワイド・シャット』でキューブリックにいじめられた、サイエントロジー教徒トム・クルーズが鬱憤を晴らすように、“俺”映画にしようとした結果、ジョン・ウーもお手上げな ファミリー向け映画になってしまった。ほとんど?偏差値40からの大学進学!?のような誇大広告、ジョン・ウーだからと期待したこっちが甘かったのか、にやけた表情しか印象にないトム・クルーズにしてやられたって感じ。お陰でぬるいヘタレ・アクションは見せられるは(スローモーションにしても身体のキレがないことは分かる)、話のせこさは、全作を上回るほどだ。
 ジョン・ウーの映画の登場人物は臭いくらいの香港テイストな役者じゃないと成り立たない、アクション(演技)の様式化があるけど、トラボルタやニコラス・ケイジだったらなんとかやってくれた(くさい演技と紙一重だが)。だが、クリスチャン・スレイターやスティーブン・セガールとかは表情が乏しいのでどうしてもドラマが盛り上がらない。ましてや、過度のバイオレンス表現も、銃撃だけじゃなく、顔取り替えたりするグロテスクなシーンも含め、アジアン・テイストなのに、それも禁じ手になった。 
 シュワちゃん映画のように、結局はギャラの安い俳優が悪役になるので、盛り上がらないし、痛めつけられてもカタルシスが無い、まるでイジメだよな。ストーリーは論外としても、サンディ・ニュートンは損な役回りだよなあ。どんどん映画のなかの比重が軽くなっていく。Gパンでほっつき歩いちゃダメだよ(ウー自体女性を上手く描ける人じゃないモンな)。結果、ジョン・ウーはアクション専用監督として雇われただけであった。二度とトム・クルーズ、プロデュースの映画なんか観るか!
 (角田)