リプレイスメント・キラー

 THE REPLACEMENT KILLERS 98アントワ・フークア (新宿ジョイシネマ3)

 製作総指揮=ジョン・ウー、出演チョウ・ユンファミラ・ソルヴィーノ………。
ついに聖林に来た男。今、世界一ガンファイトが似合う男(かつては宍戸錠だったが)。クールさと甘さが同居できるスターと言う言葉が出る男、チョウ・ユンファ。彼の世界進出第一作にしてはなかなか良い環境を与えられていて、気持ちいい大型香港アクションを観ている感じがあって痛快だった。
 組織に家族を人質に取られて殺し屋をせざるを得ないチョウ・ユンファは、オープニング・クレジット一曲数分間で既に華麗なガンプレイを見せてくれる。(勿論スローモーション!しかもルガーの二丁拳銃)。しかし、組織のボスの息子を殺した刑事の息子を殺す命令にどうしても引き金を引けない彼は、組織を捨て、家族を守るために中国に戻る決心をする。そこに出てくるのが、ロスの古い50年代の木造のビルの一室で一人仕事をするミラが扮する偽造パスポート屋。やむを得ずの相棒が善人じゃないところがいいね。やってくる刺客のショットガンでボロボロにされた事務所の中で戦う二人のアクションの決まり具合、シビレます。 何しろサービス満点のアクションで洗車場での銃撃戦など工夫がいっぱい。盛りだくさん。スタッフは、絶対に香港映画フリークと見たね。
 あと、ジョン・ウー。彼の影ながらの力があったと見た。早く、チョウ・ユンファ主演ものを撮ってくれ。『ミッションインポシブル2』なんか作ってる場合じゃないぞ。ついでにスタンリー・キューブリックもいつまでも撮り直しをしているんじゃない。トム・クルーズのスケジュールが空かないじゃないか。新作『EYES WIDE SHUT』も楽しみだけどね。
 寺院や坊さんなどの東洋の描写が甘いけど、そこら辺は目をつぶっても格好良さの追求はかなり頑張ってます。充分堪能できます。チョウ・ユンファのハリウッド進出をこの目で確かめよう。
 (角田)