子連れ狼 三途の川の乳母車

 72 三隅研次(ビデオ)

 脚本の小池一夫か、三隅研次のアイディアかは、定かではないが次々と時代劇活劇をひっくり返すような、ほとんど「場外乱闘流血の会場!」と東スポなら書きそうな、チャンバラとは言えない、時代劇=人殺しの合法化の極北に行ったような作品だ。手足がちぎれ飛んでほとんど芋虫状態となって死んでいく有り様が克明に描写されるが、ギリギリの美意識を持って作られているので不快感は免れている。(まあ血飛沫が辺り構わず飛び散るのを別とすればだ)。マカロニ時代劇と言ったところか。その劇画感覚を楽しむのが良いのだろう。
 (角田)