グラディエーター 

 GLADIATOR  00 リドリー・スコット(ビデオ)

 ここ何年かの間で、テレビ番組のBGMでサウンドトラックが使われることが多くなった。それまではタブー的にオーケストレーションは使われなかったのだけど、いまは一般的になってきている。わかりやすいのは「料理の鉄人」の『バック・ドラフト』だ。音だけ荘厳なイメージは一般化している。わたしはこれを 作曲家ハンス・ジマーの功罪と個人的に呼んでいるのだけどね。
 さて、『グラディエーター』である。このサントラも良く使われている。重厚なまでに盛り上げるが無意味。CGも演技も同じレベル。話も直線過ぎる。ただ勝手にイメージが膨らんで行く効能はある。だから半年後に、アカデミー賞が取れるのだろう。そこら辺はリドリー・スコットのねちっこい計算勝ちだ。インパクトのある印象深い画と音響で繋いである。あとで観客がものがたりを反芻するとき困らないようにしてある。というか、 じつはそれしか映像がないのであるが、観客はもっとあるように感じてしまう、CM的効果だ。ここらが、『アルマゲドン』組とは、ちがう老練さ。じっくりみなければ愉しめる一品です!
(角田)