突破者流・ 勝ち残りの鉄則   

突破者流・勝ち残りの鉄則

突破者流・勝ち残りの鉄則

 宮崎学はたくさん書きすぎて、読み終わったら忘れてしまうものも多いけど、作者自身が金のためとそうでないものを分けているので読者としても心構えができる。 わたしは彼を梶山季之藤原審爾竹中労の系列に置きたい。実践的文学ルポルタージュとでも呼ぼうか。前者三人もほとんどいまは忘れられているし、本も手に入りにくい。わたしは彼らを忘れてはならないと考える。いずれも汎的視点を持つ人たちだった。
 本書は、雑誌に書かれた反語的ビジネス提言であり、本文はいままで言っていることの繰り返し部分が多い。ただし最後にある佐高信氏との対談は示唆に富んでいて、いまの状態を計り知るに良いガイドになる。この国は一部のエスタブリッシュメントの、利益保持のために存在しているという指摘が刺激的だ。