俺、南進して。
- 作者: 荒木経惟,町田康
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/09
- メディア: 単行本
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町田町蔵の小説のおもしろさは、彼自身がモデルかもしれないけど、まさかこんなことは、あるまいと読者が笑える、その法螺話に魅力があったのだけど、アラーキーの写真に彼自身が出ることによって、法螺話が想像できる高さにしかならないので、法螺じゃないのでおかしくもなんともないのである。
またアラーキーの写真の小説性も、一見無関係な写真を並び替えただけで、エロスやストーリーを生み出すのがその真骨頂ではないだろうか。まあ大阪との相性があまりよくない気もするけどね(大阪でも難波だけど、その辺のこだわりは関西人で無いわたしにはわからないです)。
結果として、荒木の写真は、町田の文章に合わせたものとなった。逆に、町田の文章は、荒木の写真に合わせたものとなったでもいいのだけど。 ふたりでやることが相乗ではなく、相殺効果となった。