ボーン・コレクター

ボーン・コレクター

ボーン・コレクター

 「アームチェアー・ディティクティブ」という探偵小説の分野があり、非常に古典的なものだが、成功しているものは少ない。なぜかというと、パズル型犯人当てミステリーでは、絶対的なんでも当てる探偵「デウス・エキス・マテナ」(全能神)の存在が不可欠なのだが、この時代そんな人間がリアリティを持つはず無いし、いわば証拠隠匿にならざるを得ない。
 ということで、なんの解決も出来ず書かれてしまった本書は、脳みそを働かせずに、受身で読む分にはなんの問題も無い。先まわって読もうとすると、 主人公の馬鹿さ加減と、作者のご都合主義に辟易する。ひまつぶしには最適の一冊。