ハイスクール・パニック

バックマン・ブックス〈2〉ハイスクール・パニック (扶桑社ミステリー)

バックマン・ブックス〈2〉ハイスクール・パニック (扶桑社ミステリー)

 コロラド州、コロンバイン高校の大虐殺は、少年犯罪上エポック・メイキングな事件であったが、ショットガンで自分のアタマをぶち抜いた少年たちは、 この本を読めばもうちょっとましなことできたのではないだろうか。スタローンとかシュワルツネッガーの爆発 映画が蔓延する前の、ビジュアル先行型小説(余計な描写のため50ページほど意味なく長い)以前のつつましいアクション型小説である。高校生の妄想の限界はいかにビジュアルの肥大化とともに増大していくかを示す、70年代から80年代への「ペーパー・バック=現実」の証拠の一冊といえよう。