高水三山

(東京都青梅市
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(4分42秒)
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奥多摩といっても青梅にある、高水山(759m)、岩茸石山(793m)、惣岳山(756m)の三つの低山を合わせて高水三山と云います。
10時に歩き出す。吉野街道に面した公営の無料駐車場、寒山寺駐車場はトイレ完備で30台ほど停められる。すでにカヤックのボート(?)を積んだ車がたくさん来ていて準備をしていた。
駐車場の裏手の坂を下ると、寒山寺というちょっと中国風の寺が川に突き出した岩場に建っている。面白そうだがここは帰りに寄ることにする。多摩川に架かる鉄製のつり橋を恐る恐る渡る。…揺れませんでした。川の水量は冬場なので少なかったが、水はきれい。柔らかい陽が差し込みポカポカする。風も無くホントに小春日和ですネエ。
対岸に渡ると、和風の懐石っぽい料理屋や、洋風のガーデンテラス兼お土産物屋が川のほとりに広がる。その間を抜けて青梅街道に出る。正面に日本酒、澤乃井小澤酒造があった。先ほどの店もここの直営だ。人数が集まれば酒蔵の見学会も出来るみたい。沢井の駅の真下だから呑んでも大丈夫、なんと立地も良いことか。
テクテクとクルマが行き交う街道を行くと、マラソンをしている人を多く見かけた。大会が近いのかしらん。1kmちょい歩くと、右手に軍畑大橋が見える。ここを道なり左折して坂を登って行く。日当たりの良い庭先にはミカンがたくさん実っていた。軍畑の駅を過ぎ新しく架けられた青梅線の赤い鉄橋を潜る。ゆるい登りの道路に併行して小川が流れる。岩があって所々落差があるのでミニ渓流のようだ。
集落を一つ過ぎ、平溝橋の手前を左折。次の集落が見える、いかにも里山の風情。
すれ違ったお婆さんに「やあ暖かくて良い陽気ですね」と話しかけると、「ハイいい塩梅で」と返ってきた。なんかいい気分。
集落の中頃に高水山登山口があった。寺の庭だろうか、門構えが雰囲気がある。背後の山が高水山だろう。借景なのだろうか。道は狭くなり傾斜が急になる。曹洞宗の高源寺を過ぎる。共同墓地があり、そこに黄色の花を付けた蝋梅(ロウバイ)が咲いていた。まだ二分咲きくらいだけど、つぼみも鮮やかな色だ。梅の花の香りが遠くまで匂う。
コンクリートの道が行き止まりになると、登山口から林に入る。すぐに石組みの砂防ダムが現われる。奥多摩の林は大体が整備が行き届いているので、どの樹もまっすぐに20メートル以上はある。逆に云えば野性の魅力に乏しいとも云えます。それほど寒くないのかこの時期でもシダが枯れずに生えている。落ち葉は湿り気を帯びているので滑ることはないし、木段もうまく配置されて、雪も見えないので、快適に歩ける。
一度尾根に出てそれから次の尾根を登る。途中に大きなベンチがあった。根本からポッキリと折れているが他の木に寄りかかり倒れきっていない巨木があり、近づくとミシミシと音がしていた。いつドーッと倒れるか分からないよね。この山は散歩コースとして紹介されているのか、今日は二組の犬連れと出会った。
登山口から60分くらいで常福院不動堂に着く。境内には雪の跡がかすかにある。お参りをしようとすると木の刀が奉られてあった、何だろうか。(調べると結構謂れのあるところなんですね)
鐘撞き堂を過ぎてハイキングコースに戻る。南側が開けているが木に遮られて視界はいまひとつ。東屋があるのでここで昼食。オニギリ二個とマルチャンワンタンスープ。完食。
ここからは尾根を歩く。ちょっと登ると無線の中継の塔が柵で囲まれている場所に出る。ここが高水山頂だそうだ。こちらもたいして展望もない。
下ると次の小山。尾根を登らなくても小山には巻き道が付いている。北側だと根雪が凍っているところがある。
30分ほどで岩茸石山の道標が出てくる。急な勾配を一気に登ると山頂に着く。広々として奥武蔵の山々がよく見える。棒の折山がよく分かる。
急な坂を下り、岩茸石山の巻き道と合流する。ふたたび尾根歩き。昔に地崩れがして木も生えていない吹きっ晒しの場所があり、土が凍結していた。気を付けないと滑り落ちてしまう。
少し陽も傾き飽きたころに惣岳山頂上との分岐。岩の間を登る。息が切れる前に山頂に着く。青渭神社の木造建築の社が建っている。透かし彫りの彫刻が見事。展望は無いが、なかなか凛とした雰囲気がある山の中の境内。
ゆっくりと表参道を降りると小さな祠、真名井天神の水場があったが、今は流れていなかった。ダラダラとした山道を延々と下っていく。注連縄が張られた場所に立派な木が立っていた。しめつりの御神木、と立て札に書いてあった。ようやく沢井方面との分岐点に着く。少し下るとすぐに人里に出た。急な傾斜の舗装道を下り、疲れていたので青渭神社の拝殿は横目で通り過ぎ、鉄道を潜り青梅街道に出る。鳥居があって、要するにこの道は青渭神社の表参道だった。
沢井駅まで600メートルくらい歩く。(国道を歩かなくても川沿いに遊歩道があることがいまわかった)
橋を渡り、寒山寺を覗き、駐車場に戻るとカヤックもお仕舞いのようで、みんな引き上げてきていた。快晴のもと汗をかき、ずっと陽に当たっていたので埃っぽくなったが、ハイキングコースは天気が良いと気分も上々です。


<参考>青梅市観光協会  高水三山ハイキングコースを歩く