関東甲信越小さな旅

梅雨空の日曜日、早起きをして眠い眼をこすりつつ高崎線吹上駅に向かう。すでに1時間以上電車に揺られてきたM氏は、旅行気分が出来上がっている。ゆるいカンジで北関東ぐるり弥次喜多道中、お安く目的もテキトーに決めない気まま旅に出発する。
駅から20分くらいの平地の真ん中にある「古代蓮の里」に向かう。花が見ごろとあったがまさかの人出。「なんとかまつり」が開催中だった。朝っぱらからアマチュアカメラマンが群れをなして、三脚をつけた大きな一眼レフを蓮の池に向けている。広場では大正琴のグループのお披露目会が行われ、スピーカーで増幅したため却ってよく聞こえなくなった音が公園中に流れる。行田名物のゼリーフライを食う。案外ウマイしハラにたまる。蓮はなかなか見事なものですね。

国道17号バイパスを行き、薮塚温泉に向かう。目的地はその隣のスネークセンターの隣の三日月村木枯らし紋次郎テーマパーク。駐車場にはもう何台かクルマが停まっている。
じめじめした里山を登って行くと、門が見え入場券を買う。雨に打たれてそれなりの風情だが、なんせ地面がコンクリート張り。
茅葺の民家を改造した笹沢佐保記念館も平成のはじめで時代が停まっている。紋次郎も見たことないし、笹沢佐保も読んだことないので一向に感慨が湧かない。がらんとした場内をぐる肚りと回る。客よりも従業員の方が多い。
見たこともない色のヘビが足元をよぎる。スネークセンターから逃げてきたのかしらん。

昼は、桐生でソースカツ丼を食べる。揚げたヒレカツをウースターソースに浸してごはんにのせただけのシンプルなもの。でも結構何度も反芻したくなる味わい。駅前食堂も昭和のまま。テレビでのど自慢が流れていてもなんの違和感もない。
雨が強くなってきたので市街散策はやめて、渡良瀬川沿いに進み日光へ向かう。
休日の日光はこの天気でもケッコー賑わっている。世界遺産東照宮に来るのは修学旅行以来だ。日光見ぬバカ二度見るバカというフレーズを急に思い出したが、三度見るのははなんだろう?でも記憶からまったく抜けていたので心配なく新鮮な気分で回れました。
江戸時代のテーマパークとしては、滅茶苦茶良くできてますね。デカイもの、派手なもの、荘厳なものが、うまく配置され、有難く思える仕掛けに感心する。恐るべし徳川三百年!おみくじは吉。「何事にても思い立たば決断が肝要なり、肚をすえて立ちあがざれば花の美しさ、月のさやけきも見られず」とのこと。

時計を見ると16時。半端なので山を越えて沼田に抜けることにする。いろは坂を登り、中禅寺湖畔を過ぎ、さらに高地に出ると、景色が開け戦場ヶ原に着く。結構涼しい。展望台に立つと、遠方の山にかかる雲がどんどん流れている。手前の湿原に茶色の動くものが。シカがゆっくりと歩いてました。
金精峠を抜けて丸沼高原に行くあたりは霧で視界がない。このあたり大きな沼が点在する。夏はキャンプにはいいな。

沼田の道の駅・白沢の望郷の湯で、雨の中の露天風呂。薄暗くなっていく山々を見ながらまったりと過ごす。マッサージ機が気持ち良い。うとうとして瞬間オチル。
夕食は、大泉町ブラジル料理シュラスコをと考えていましたがタイムアウト。高速関越道をゆっくり走って練馬まで90分。欲張ったけど楽しかったあ。