スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法

スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法

スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法

  • 作者: ダンカンワッツ,Duncan J. Watts,辻竜平,友知政樹
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2004/10/01
  • メディア: 単行本
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「だれでも友だちの友だちを繋げて六人を介すると最後には大統領に辿り付く」という言葉がアメリカにはあるそうだ。まあ「私の友達の友だちが、タレントの誰々と知り合いでぇ」と言うのはよく聞くし、使ったりする。実は二人を介した時点でもう全然知らない他人なので良く考えると変な話なのだが、あまりそう感じないのはなぜだろうか。
ソーシャル・ネットワーク・システム(SNS)はその仕組みをうまく利用している。既存の匿名型掲示板が発するコミュニケーションとは確実に異質なものになっている。
スモールワールド・ネットワークが有効に動くためには、濃い友人の輪ではなく、ゆるい友人の輪が重要なことが指摘される。従来のマスコミ、メディア誘導型なら、数人のオピニオンリーダーが扇動して世論が形成していくと考えられるだろう。しかし、スモールワールド・ネットワークでは、クチコミによるマーケティング(ヴァイラル・マーケティング)が重視され、いままでのマス・コミュニケーションは通用しないらしいことが指摘される。
それは「あなたにとって、真に影響を与える重要な人間関係と言うのは直接的に知っている友人からもたらされるよりも、その友人の友人や、さらにその友人からだったりする」ということ。
具体的には、仕事で自分では集められないが明日までに必要なものがあったとき、友人に連絡するよね。でも彼、彼女がそれにすぐに対応できることはまずない。しかし彼らのネットワーク(友人関係)でなんとかなることは多々ある。思い起こせばそんな例がすぐに見つかるはずだ。友人関係とは別に世の中を動かす摂理があるということなのだ。