外道忍法帖
- 作者: 山田風太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1985/09
- メディア: 文庫
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本書ではまず人が死ぬ。忍者3組×15人=45人の主な登場人物たちが皆討ち死ぬ。それでも悲惨にならないのは不思議だ。この小説が好きだという解説の三田誠広(!)が書いているが、登場人物が卑小な私怨で動いているのではなく、運命という大きな力で動いているためだろう、というのは卓見だ。徹底的に淫蕩な殺人マシーン同士の戦いなのだけど、それが殺伐としないのが筆力なんだろうねえ。書くだけこちらが打ちのめされ虚しくなる。でも読んでいて楽しいのだから困る(困ることはない)