旗本退屈男

旗本退屈男 [VHS]
(1958)松田定次
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD25853/index.html
やー楽しいねえ。市川右太衛門の出演三百本記念映画でオールスター総出演の豪華さ。しかしながらお話は伊達藩のお家騒動らしいんだけど、主役の右太衛門と準主役の片岡千恵蔵が肝心なところで共にクサイ演技の妙なアクセントで喋るから、なに言ってるんだか全然わからないので何がどう収まったのかチンプンカンプン。でも例の如く天晴れ日本晴れで終わるからいいのさ、それはそれで。
最近、東映時代劇の役者の顔と名前が一致してきたので余計楽しい。「個性派 東映チャンバラ黄金時代」(ワイズ出版)は必携だ。むかし日活アクションばかり観ていた頃は脇役まで良く見ていたものだったけど、その楽しみがよみがえってきたよ。
東千代之介と大友柳太朗が敵方だけどさいごに表返るとこなんて最初、えっ彼らも悪役やるの?と引っかかってドキドキしたけど(大げさ)、やっぱ勧善懲悪なのでした。それにしても千恵蔵のキ印殿様の演技は絶品です、これにも騙されたよ。それぞれきちんと収まるところに収まるのは気持ちよい。毎回これだと飽きるのだろうがいまのところ新鮮。退屈男のコスプレも注目(長旅なのになぜあんなに派手な着替えをたくさん持ち歩いているのかと問うのは野暮)。
松田定次はうまいね、安定感がある。ワンパターンになりそうなんだけどならないところが良心的職人技だ。