塔ノ岳、鍋割山

たまには違う景色が見たいので神奈川の丹沢に出掛けることにする。5時出発、6時八王子、7時相模原、途中で麓の方まで白く雪を被った富士山がきれいに見える。小田急渋沢駅から10分で8時、表丹沢県民の森に到着。
正規の駐車場はいっぱいのようなのでその先の河原のような場所に停める。雲が多いがまあまあの天気。空気が冷たいけど息が白くなるほどではない。林道の車両通行止めのゲートを越えて歩き始める。15分ほどで林道は終わり、二股という地名の登山計画書ポストの先から林に入っていく。すぐに水が滂沱と流れる沢に出合い渡り、急な岩場を回り込んで行くと、杉林のなかをくねくねと登る道はちょっとわかりにくいが、目印の赤テープを見失なければ大丈夫。
今日はなるべく膝に負担をかけないように大股で無理に力だけで登らないようにする。去年来た時に丹沢の広さに計算が狂い、最初から調子に乗って飛ばしたら疲労が溜まり予定時間を大幅に越える山歩きをした経験があるからだ
だらだらとひと気の無い尾根道を行くが眺望も無く飽きる。それでも90分も行くと、営業小屋のある小草平に着く。
ここからは麓の大倉のバス停からたくさんの人が上がってくるメインのルートだ。それにしても次々に登ってくるなあ。登山ブームがよくわかるね。それにしても人が多くなるとみんな挨拶もしなくなり自己チューになっていくような気がする。
ここからが開けた尾根に付けられた階段を延々と登ることになる。もしかしてこれが、大倉尾根、通称バカ尾根なのか。ただただキツイだけで、面白みのない訓練用の登山道。学生登山部の新人いじめの場所として有名らしい。ここだけは登りたくなかったのだけど、事前調査不足でした、嗚呼。
途中から雪が溶けたあとで道が泥だらけになってくる。ひたすら単調だけど、それゆえにキツイ。黙々と階段を登るのは難儀だわい。ひいひい言いながら、60分で花立の営業小屋のあたりで休憩し、ふたたび登り出す。金冷シの尾根分岐あたりでは雪が凍っているので滑り止めを出す。塔ノ岳までの登りは全面固められた雪、最後は急登。
11時に頂上に着く。標高1491メートル。広々としているのだけど、寒いし、なんかここだけ雲に覆われているなあ。と思っているとどんどん雲が登ってくる。あたりの山々は南斜面の残雪が沢沿いに白い筋をいくつも描いていて綺麗だ。とっととメシを食べるが、寒くて食欲が出ない。そのうちに風が吹き付けてきて、手がかじかむと言うよりは、手が痛いほど冷たくなる。冷水につけたようだ。こりゃいかんと感覚がなくなる前に軽アイゼンをつけてそそくさと降りることにする。
鍋割山に向かうルートにはそれほど人は来ない。それでも大倉尾根からはまだまだ続々と人が登ってくる。尾根をだらだらと行くと粉雪が舞ってきた。このあたり自然植林ということでブナの木とかが残っているが、いまの季節はただ寒々しいだけだ。丹沢は冬以外がいいのかなあ。
なんどかのアップダウンを繰り返し、12時過ぎに鍋割山に到着。ここも営業小屋付近で人々がたむろしている。定年老人ババアグループのおしゃべりがうるさい。有名コースは仕方ないのですね。富士山が遮るものも無く真正面に見えるが、八合目付近から上は雲に隠されていた、残念。
ここで軽アイゼンを外し下っていく。途中からは相模湾伊豆半島、箱根あたりが眺望できるところがあるが、道はここも尾根道で変化がなく面白くない。やはり右ひざが痛くなりサポーターをする。でも最近は半日で痛みから回復するようになった。
後沢乗越の分岐で本当はまっすぐ行って県民の森の中を通るコースも面白いかなと思ったが、膝の負担を考えて近道を行くことにする。ここからさらに一気に降りると、ミズヒ沢に出る。
丹沢の良いところはこの広々とした河原だね。清水が絶え間なく轟々と流れていくさまがなんともいえない。渡河していくと広々とした林道にぶつかる。こらの国有林の杉林は20メートルはあり細いけど見事だ。こをだらだらと歩いていくと登り口の二股に出る。クルマに戻ったのは14時15分。
それにしても丹沢は広い。山の奥という雰囲気ではないのだけど、こじんまりとしていないのでちょっと疲れるし単調だ。ちょっと整備されすぎて垢抜けているというか、もうちょっと野性味があると良いのだけどもね。でも季節と天気の良い日に行けば印象が違うだろうな。もっと縦断コースのようなスケールで歩いて夕方、西の海に沈む夕陽を見ながらゆっくりと歩いたりすると楽しいだろうな。
<参考>
http://homepage1.nifty.com/quicktime/cource/20030309.html