金城哲夫 ウルトラマン島唄

金城哲夫 ウルトラマン島唄

金城哲夫 ウルトラマン島唄

沖縄出身のシナリオライター金城哲夫ウルトラQから、マイティー・ジャックまで円谷プロの文芸部門の長を務めた。上原正三は同郷の金城を頼り、ウルトラQから円谷プロに出入りをしてその作家活動を はじめる。今回作者は金城の未公開の日記などを読み、あくまでも上原の視点から金城哲夫というウルトラマンを作った男を描き出す。
そこには、いままで存在しないテレビ番組を作り出す企画書を持ち歩くエネルギッシュな男の姿がある。怪獣について理解のない者が「最後に怪獣を殺すだけの話だ」というのを、金城は「そうではなく、怪 獣を元のところに戻すのだ」と説明する。これを読むと、 ウルトラマンだけが殺伐とせずにやさしい印象のあることが思い出される。冒頭に引用される実相寺監督の「ウルトラマン――本籍沖縄」というのがわかるような気がした。た だ沖縄に帰ってからの姿は読んでいて苦しいものがある。